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IT・情報システム 公開日: 2021.02.01

IT導入補助金とは?中小企業が知っておくべき必要な書類や手続きの流れ

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 苦境に立たされる中小企業・小規模事業者の間で注目されているのが「IT導入補助金」。ITツール導入に際する政府の補助金であるこの制度について、手続きや導入すべきツールの種類を解説する。

【画像】shutterstock

目次

苦しい状況が続く、中小企業の経営状態

 2020年、新型コロナウイルス感染症が拡大し今もなおさまざまなところへ影響を及ぼしている。中小企業・小規模事業者についても、その影響を免れることはできず苦戦を強いられている状況である。

 中小機構・企画部調査課が全国の中小企業・小規模事業者を対象に行った「新型コロナウイルス感染症の中小・小規模企業影響調査(7月度)」によれば、「前年同月比(7月)で75.9%の中小企業・小規模事業者が新型コロナウイルス感染症によりマイナス影響が発生及びマイナス影響が予想される」との回答が集まっている。

 現在も感染拡大に歯止めがかからず、中小企業・小規模事業者はいっそう厳しい状況になると予想される。

 そのような中、苦境に立たされる企業に対する補助として注目されているのがIT導入補助金という制度。IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者などを対象に、その企業が抱える課題を解決して生産性を向上させるITツール導入費用を、政府が一部補助するというものだ。

 2020年には、新型コロナウイルス感染症の拡大により影響を受けている企業を優先的にサポートする特別枠(C類型)を新たに設置。最大450万円を補助するなどの優遇措置が受けられる内容になっている。

 IT導入補助金は2017年に導入されて以来毎年あるものの、2021年も公募されるかは未定である。しかし、その準備は複雑であるため事前に何をすべきか、どのようなITシステムを導入すべきかを検討しておく必要があるのだ。

IT導入補助金を受けるために必要な手続き・書類

【画像】shutterstock
 では、IT導入補助金をもらうに当たって、どのような手続きや書類が必要となるのだろうか。はじめに、IT導入補助金の申請に必要な書類について見ていこう。必要書類は法人と個人事業主で異なる。

法人の場合

・履歴事項全部証明書
交付申請日を基準とし、発行して3カ月以内のものを用意する必要がある。

・法人税の納税証明書(その1またはその2)
納税証明書は直近のもので、税務署の窓口で発行されているものに限る。電子納税証明書は使えない。

個人事業主の場合

・運転免許証、運転経歴証明書、住民票のいずれか1点
住民票は交付申請日を基準とし、発行して3カ月以内のものを用意する必要がある。

・所得税の納税証明書(その1またはその2)
法人税の納税証明書と同様、納税証明書は直近のもので、税務署の窓口で発行されているものに限る。電子納税証明書は使えない。

・所得税確定申告書B
税務署による受領印や受領通知がなされた直近分のものに限る。

IT導入補助金を受けるために必要な手続きの流れ

必要な書類を確認したら、次に申請手続きの流れを理解していこう。手続きは以下の7ステップで進めていく。

1.補助事業について知る

 まずはIT導入補助金の詳細について確認する必要がある。IT導入補助金の公式サイトや公式サイトにアップされている公募要領を参照しながら内容を把握していく。

2.導入するITツールを決める

 続いては、どのようなITツールを自社に導入すべきかを決める。会社の業種や抱える課題に合ったITツールとIT導入支援事業者を見つけていく。

 また、IT導入補助金の交付申請には「gBizIDプライム」のアカウントが必要となるのであわせて登録しておこう。

3.必要な情報・書類を用意して交付申請する

 導入するITツールを決めたら、IT導入支援事業者と協力しながら交付申請を行う。流れは以下の4ステップである。
  1. IT導入支援事業者から「申請マイページ」に招待されたら、マイページを開設し申請を行う人の基本情報を入力する
  2. 基本情報の入力が完了したら、交付に必要な情報の入力や書類の添付をする
  3. 今度はIT導入支援事業者側が導入するITツールの情報や事業計画値を入力する
  4. 最後に入力内容を確認し、申請するに当たっての宣誓を行って事務局へ提出する

4.ITツールの発注や支払いなどを行う

 提出した内容について事務局から「交付決定」の承認を受けたら、ITツールの発注から契約、支払いなどを行う。交付決定の承認について連絡がないまま発注などを行うと補助金をもらうことができないので注意しよう。

5.事業実績について提出する

 続いては、ITツールを実際に導入したことが分かる証憑を提出する。こちらも(3)のステップと同様、IT導入支援事業者と協同で進めていく。
  1. 中小企業・小規模事業者側が「申請マイページ」より、用意した証憑を添付するなどして事業実績報告を作成する。
  2. IT導入支援事業者側がその報告の内容をチェックし、さらに必要情報を入力する。
  3. 最終確認を終えたら中小企業・小規模事業者側が事務局に報告内容を提出する。

6.補助金をもらう

 5が完了すると、「申請マイページ」にていくら補助を受けられるか見られるようになる。補助額を確認した後に、補助金を受ける。

7.事業実施効果を提出する

 事業実施した効果について、期限内に報告することも忘れずに。中小企業・小規模事業者側は「申請マイページ」から情報を入力したら、IT導入支援事業者が「IT事業者ポータル」より代理提出を行い、交付の手続きが完了する。
 説明したとおり、申請時にやるべきことはかなり多い。前もって、どのような情報が必要か、いつ何をどこに出せば良いかを確認しておこう。

生産性を下げている業務とは

【画像】shutterstock
 以上、IT導入補助金を受けるために必要な書類と手続き7ステップについて見てきた。政府による補助を受けながらITツールを導入できる嬉しい制度であるものの、前提として自社の抱える経営課題について理解していなければせっかくのITツールも有効に活用することは難しいだろう。

 そこで、自社内で生産性を下げている業務とはいったい何であるかをチェックできるリストを、下記に五つの観点から記載している。どの項目に当てはまるかを確認し、最適なITツールを導入していこう。

✓書類での作業が多い

 書類がデータ上で管理されるのが主流である今、紙のままで管理していないだろうか? 書類が紙で管理されると印刷にお金がかかったりスペースがだんだんなくなったりとさまざまなコストがかかってしまう。また、必要な書類を取り出したいときにもなかなか見つからない……といった事態を招いてしまうことも予想される。

 書類での作業が多い、はんこ文化がまだ残っているなど、データ化が進んでいない場合はぜひペーパーレス化に特化したツールを活用してみてほしい。

✓メンバーの業務進捗を把握できていない

 誰がどのような業務を行っているか、きちんと把握できているだろうか。業務が可視化されていないと業務が他の社員と被ったり進捗が遅れている場合に対応が後手になったりと、非効率な仕事環境が生まれる。部署移動による引き継ぎや不明点があった際の質問先にも困るだろう。自社の業務について見える化が進んでいないのであれば、タスク管理ツールを導入するのが良いといえる。

✓社員同士のコミュニケーションが不足している

 社内でのコミュニケーションを円滑に進めることは、ビジネスをスムーズに進めていくことにつながる。従来では電話やメールでやりとりを行うスタイルがメインだった一方、最近ではチャットアプリなどを活用することによってより素早く、気軽に意思疎通ができる時代となった。このようなコミュニケーションツールをうまく利用すれば、コミュニケーションコストを下げ、業務の生産性向上が期待できるため、導入を検討してほしい。

✓メンバーの勤怠管理をアナログで行っている

 社員の勤怠情報を、帳簿やタイムカードなど手作業で集計していないだろうか? また、会社特有のやり方でデータ管理していても、入力が面倒だと悩んでいる企業もあると聞く。

 そのような課題を抱えているなら勤怠管理ツールの導入がおすすめ。社員の労働を正確かつ簡単に管理することで、人事・労務部の労力や人件費が削減されたり法改正や組織の変更があった場合に柔軟に対応できたりと多くのメリットを享受できるだろう。

✓適切に顧客情報を管理できていない

 営業活動を行う上で、顧客情報のリスト管理を適切に実施することは重要である。顧客に関する情報が社内で共有されておらずバッティングが起こると、業務の効率が悪いことはもちろん、顧客からのイメージは悪くなってしまう。信頼が失われ、取引を行うまでの障壁は高くなってしまうだろう。

 このような場合は、顧客管理ツールを導入すると課題が解消することが多い。営業、マーケティングといった多様なチャネルからの顧客情報を統合して管理し、常に最新の状態を社内で共有できるツールを検討したい。

 法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」は、名刺をスキャンするだけで顧客情報をデータベース化し、さまざまなチャネルからの情報を一元管理できる。さらにSansanを活用することで、中小企業が抱える、人材不足や営業機会の損失といった課題解決の一助にもなるだろう。

今こそITツールを導入し、生産性の向上を

 経済への厳しい打撃が続く中で、生産性を向上させることは企業にとってこの先も避けられない課題。今回紹介したタスク管理、コミュニケーション、勤務管理、顧客管理など、さまざまな分野で多くのITツールか開発されている。自社の抱える課題と照らし合わせたとき、きっと解決の糸口となるITツールが見つかるだろう。

 ぜひ一度この機会に、IT導入補助金を利用して、ITツールの導入を検討してみてはいかがだろうか。

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