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マーケティング 公開日: 2021.05.07

顧客分析をする上で、BtoB企業に必要なデータベース構築

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 マーケティング部門の目的は商材に興味がある顧客を獲得し、商談につなげることだ。そのためには顧客分析が必要不可欠であり、顧客のニーズを知りターゲットに対して確実に刺さるような施策を打たなければならない。本記事ではそのために顧客データを整理し分析をしていく方法を紹介する。

【画像】shutterstock

目次

購買行動の変化とBtoB企業の環境変化

従来のBtoBビジネスにおける購買行動とその問題点

 従来、BtoBビジネスにおける顧客の購買行動は、営業から情報を入手することがスタートだった。それぞれの営業担当者は独自の勘や経験に基づいて提案・商談を行っていたため、同じ顧客・プロダクトでも営業担当者個人の手法に影響される。このように属人的な営業手法であるため、部下や後輩にその手法が伝わりにくい上に、受注・失注の要因が特定しづらいことから安定して成果を出しにくい環境だった。

 また、BtoBビジネスでは、失注からしばらく時間が経ったときや、異動で決裁者が変わったタイミングなどで、同じ企業に繰り返しアプローチすることも珍しくない。その際に、顧客ニーズに沿わない提案をすると、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまうことにもなりかねない。

近年の購買行動では「検索」し、情報を入手

 現代のマーケティングは重要視すべき対象が大衆から個人へと変化している。テレビや新聞のみを情報源とする時代は終わり、個人の嗜好に最適化されたSNSや、検索行動から情報を入手するようになった。

 BtoBビジネスにおいても、見込み顧客は比較・検討が終了した状態で営業に会うようになった。購買決定に近い状態で営業とコンタクトをとるので、CMやネット広告・SNSなどで知名度を上げる、オウンドメディアやウェビナーで接点を持つ、といった顧客に合わせたデジタルマーケティング施策が必要になったのだ。

 こうした購買行動の変化に伴い、アプローチ方法も変化した。個人が重視される現代では、見込み顧客の属性や行動といったデータを元にOne to Oneにアプローチしなくては、興味関心を持ってもらえない。

 例えば、何度も製品資料を見ているから架電する、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するウェビナーを受講した人に、DXの情報を伝えるオウンドメディアの記事を送るなどデータを用いたOne to Oneアプローチが効果的になってきたのだ。

 営業担当者のスキルや温度感のみに頼った営業手法では、成果を上げるためには優秀な営業マンに頼らなければならないが、データに則ったマーケティングを行えば組織全体で効率よく製品・サービスに興味関心が高い顧客を獲得できる。さまざまなデータを用いて見込み確度をはかることで、営業担当者が安定して成果を出しやすくなったのだ。

BtoB企業の環境変化が及ぼす影響

 また、少子高齢化による労働人口の減少や、ノウハウを持っていた団塊の世代の退職、DXの推進による新サービスの登場や新たなプレイヤーの台頭など、BtoB企業を取りまく環境変化は大きくなっている。

 そこで顧客変化と環境変化の中で企業が生き残っていくためには効率的なマーケティング・営業活動が必要だ。自社のサービスがどのような企業に売れるのか、自社が手を伸ばせていない潜在顧客となる層はどこなのかを分析し、ターゲット企業の選定が急務となっている。

BtoBビジネスの顧客は「企業」「部署」「人」の面から分析すべき

【画像】shutterstock
 潜在顧客へのアプローチも含め、自社のサービスを求めているターゲットを見極めるために重要なのが、顧客分析である。顧客分析とは、主に自社製品やサービスを購入した顧客の属性と購買行動をひもといていくことだ。

 BtoBビジネスにおける顧客とは、「企業 」「部署」「人」の切り口で捉えることができる。。自社製品のペルソナやターゲット、カスタマージャーニーなどを考えるとき、この3種類を想定すべきだ。

 ターゲットとして分析すべき属性・購買行動の例を提示する。

企業
 業種・商材・売上規模・所在地・業界・最近の業績など

部署

 総務・経理・営業・カスタマーサクセス・システム・マーケティング・広報・物流・財務など


 役職・チームの規模・業務内容・使っているツール・フレームワーク・個人の目標・個人の課題など

 例えば同じサービスを総務部門へ販売するとき、売上規模が100億円の企業と、売上規模が1億円の企業とでは、必要なアプローチが違ってくるはずだ。

 そのため、自社ですでに保有している顧客データを分析する際には、MA(マーケティングオートメーション、マーケティング活動を自動化するツール)やCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント、顧客管理システム)に蓄積された顧客の基本情報やステータス、これまでのタッチポイントなど個人単位で把握するのはもちろん、合わせて企業や部署などの情報も一緒にひも付けて管理する必要がある。しかしながら、上記のような状態で管理できている企業は少ないのが実情だ。

顧客情報が正確でないと、分析しても意味が無い

【画像】Shutterstock
 せっかくCRMやMAなどのツールを導入していても、保有している顧客データが以下のような状態となっていないだろうか。
  • 顧客企業あるいは本社・事業所の名前や所在地、電話・FAX番号といった情報しか記録していない
  • 定期的なメンテナンスを行えておらず、情報が古い。担当者が現在も在籍しているか分からない
  • 資料ダウンロード、自社セミナー申込、メールマガジン登録など施策によって入力項目がバラバラで統一されないまま、顧客データを獲得している
  • 担当者が手動で入力しているため、誤字や脱字・表記揺れがある。
  • 個人のエクセルで顧客データを管理している。
 上記のような状態では、訴求や商談で使えるデータが少ない、あるいは正確でない可能性がある。

 担当者名・役職・電話番号・メールアドレスなどの項目を統一して顧客データを集めなくては、企業・部署・人が結び付かないため、その情報に意味が無くなってしまう。特に部署や役職といった情報は決裁権があるか無いかを判断する重要な情報だ。決裁権がある人物は間違いなく商談のキーパーソンとなる。受注するためには、キーパーソンを見極めなければならない。
 
 企業規模が大きくなるとプロダクトごとに部署が分かれ、部署が独立して施策を考えることもある。そうなると、部署や施策ごとに入手したい情報が異なる場合も出てくるだろう。また、名前やメールアドレスだけであればリードが獲得しやすいことから、施策によって入力項目を少なくすることもある。しかし、施策が違っているとしても入力フォームはなるべく統一するべきである。統一すると部署を横断してその情報を生かせる可能性があるからだ。

 他にも、担当者の机にしまわれていた古い名刺や、1年以上連絡を取っていない顧客はデータが古い可能性がある。アプローチをしようとしても、連絡先が変わっていたり、すでに退職していたりすることもあるので、情報は最新の状態にしておきたい。

 さらに担当者が手入力をしていると、誤字脱字が発生するだけでなく、半角や全角あるいはカタカナや英語表記など担当者によって入力方法が異なるかもしれない。会社名は名刺と合わせてウェブサイトでも調べる、読み方も合わせて入力するなど、入力方法を統一するようレギュレーションを決めておくべきだ。

 しかし、このように提案しても、手入力で顧客データを入力していてはミスが必ず出てくるだろう。

 また、個人のエクセルでの管理は、誰がいつ入力したかを把握しづらく、同じファイルがいくつも存在すると最新版が分からなくなってしまう。複数人で顧客データを入力するのであれば、エクセルより管理ツールの方が管理しやすい。

 このように、入力された情報が不足している、あるいは正確かどうかが分からないデータで顧客ニーズを分析しても、確かな示唆は得られず、効果が出る戦略立案はできない。では、どのように顧客データを管理すべきなのだろうか。

顧客分析の第一歩は、顧客データベースの構築から

【画像】Shutterstock
 効率的なマーケティング・営業戦略を立案するためには、正確な顧客データを使って分析しなければならない。めまぐるしく変わっていく現代では、社名・部署名の変更、担当者の退職や異動などが原因で、情報はすぐに古くなってしまう。

 そのため、データの整合性と関連性を一致させるデータクレンジングを定期的に行わなければ、正確な保有リード情報とは言えないのだ。

 しかしながら、不正確で古い顧客データを、正確かつ最新の状態で管理するためには膨大な作業工数や費用がかかってしまう。定期的にメンテナンスができている企業は少ないだろう。

 そこで、手間無く簡単に顧客分析に活用できる顧客データベースの構築をするためには、情報をクレンジングしてくれるITツールの活用が欠かせない。

データクレンジングツールは、データの重複や誤記、欠損などを見つけて一貫性のあるデータへ自動的に修正してくれる。さらに、最適化されたデータベースや既存の業務効率化ツールとの連携によって、営業・マーケティング分析の精度を飛躍させてくれる機能を持つITツールも存在する。

 例えば、「Sansan Data Hub」を導入すれば、SansanのAI技術を結集した独自のテクノロジーにより、最も正確で最新の顧客情報である「名刺」を軸に、社内のデータを正規化・統合。
いま利用されている、SalesforceやMarketoなどのCRM・SFA、MAツールにおいても、データの二重登録を防ぎ、名寄せ・クレンジングの工数を削減することができる。また、外部情報ソースと連携し、会社情報にさらなる情報を付与してリッチ化。付加価値の高い、マーケティングに最適なデータへと進化させる。
Sansanを活用することで顧客データの基盤作りができるため、「Sansan Data Hub」の詳細を下記からダウンロードし、ぜひ確認してみてほしい。

成果が出る顧客分析を行うために

 変化が激しい現代において、顧客のニーズを知るためには、まず自社の顧客データベースの見直しが必要だ。社内に散らばった顧客データを統合し、企業・部署・人の三つのデータをひも付けることで、ようやく顧客分析のスタートラインに立てる。正確な情報に基づく顧客分析で、顧客が求めるニーズをぜひ掴んで欲しい。

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