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マーケティング 公開日: 2022.11.25

顧客分析をする上での課題点とデータ管理にの重要性について解説

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 マーケティング部門の目的は商材に興味がある顧客を獲得し、商談につなげることだ。そのためには顧客分析が必要不可欠である。顧客のニーズを把握して購買意欲を刺激するような提案を行わなければならない。 なぜなら、顧客ニーズを把握し購買意欲を刺激するような提案を行うことが、商談成立への最短距離だからだ。本記事では顧客分析を行うことの必要性や、顧客データを整理し分析していく方法を紹介する。

【画像】Shutterstock

目次

顧客分析を行う必要性

 日本では少子化が進み、これから市場は縮小していく傾向にある。市場規模が小さくなることで、商談の機会は減少するため、1回1回の商談の重要度は増していく。そのため、特定の顧客のニーズをより満たすのに特化した商材が求められていくだろう。  

 それに加えて、IT技術が進歩したことにより顧客が得られる情報が増え、求めるニーズが細分化された。そういった時代では、実際に商材を必要としている顧客に直接アプローチをかけることが求められる。ただ質の高い商品やサービスを提供すればよい時代は終わり、より顧客分析を行う必要がでてきたわけだ。  

 そのためにも、分析によって現状把握をすることが大切だ。なぜこの商材が売れたのか、なぜ売れなかったのかを分析することで顧客の心理や購買傾向を明白にする。その結果によって今後のアプローチ方法や、ターゲットになる顧客も変化していくことになる。

 顧客分析はマーケティングとも深い関係があり、それぞれの顧客の満足度や継続率を上げる役割がある。しっかりとした分析ができていなければ、商談が成立したとしても短期間で打ち切られてしまうことになりかねない。提供した商材の改善や長期的な関係を築くためにも、顧客分析は欠かせない。

 いくら営業活動やマーケティング施策を行ったとしても、ターゲットや市場が間違っていては効果が無い。だからこそ、顧客分析によって正しい市場を選ぶことが肝要であると言えるだろう。  

購買行動の変化とBtoB企業の環境変化

【画像】Shutterstock

従来のBtoBビジネスにおける購買行動とその問題点

 従来、BtoBビジネスにおける顧客の購買行動は、営業から情報を入手することがスタートだった。それぞれの営業担当者は独自の勘や経験に基づいて提案・商談を行っていたため、同じ顧客・プロダクトでも営業担当者個人の手法に影響される。このように属人的な営業手法であるため、部下や後輩にその手法が伝わりにくい上に、受注・失注の要因が特定しづらいことから安定して成果を出しにくい環境だった。

 また、BtoBビジネスでは、失注からしばらく時間が経ったときや、異動で決裁者が変わったタイミングなどで、同じ企業に繰り返しアプローチすることも珍しくない。その際に、顧客ニーズに沿わない提案をすると、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまうことにもなりかねない。

近年の購買行動では「検索」し、情報を入手

 現代のマーケティングは重視すべき対象が大衆から個人へと変化している。なぜなら、テレビや新聞など多数を対象としたメディアのみを情報源とする時代は終わり、個人の嗜好に最適化されたSNSや、検索行動から一人ひとりが取捨選択をして情報を入手するようになったからだ。  

 BtoBビジネスにおいても、見込み顧客が自ら情報を収集して、比較・検討が  終了した状態で営業に会うようになった。購買決定に近い状態で営業とコンタクトをとるので、CMやネット広告・SNSなどで知名度を上げる、オウンドメディアやウェビナーで接点を持つ、といった顧客に合わせたデジタルマーケティング施策によって、見込み顧客の情報網にひっかかる努力をする必要性がでてきたのだ。  

 こうした購買行動の変化に伴い、有効なアプローチ方法も変化した。  個人が重視される現代では、見込み顧客の属性や行動といったデータを元にOne to Oneにアプローチしなくては、興味関心を持ってもらえないからだ。  

 例えば、何度も製品資料を見ているから架電する、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するウェビナーを受講した人に、DXの情報を伝えるオウンドメディアの記事を送るなどデータを用いたOne to Oneアプローチが効果的になってきたのだ。

 営業担当者のスキルや温度感のみに頼った営業手法では、成果を上げるためには優秀な営業マンに頼らなければならないが、データに則ったマーケティングを行えば組織全体で効率よく製品・サービスに興味関心が高い顧客を獲得できる。さまざまなデータを用いて興味の度合いを測ることで、営業担当者が安定して成果を出しやすくなったのだ。

BtoB企業の環境変化が及ぼす影響

 また、少子高齢化による労働人口の減少や、ノウハウを持っていた団塊の世代の退職、DXの推進による新サービスの登場や新たなプレイヤーの台頭など、BtoB企業を取りまく環境はめまぐるしく変化している。  

 そこで顧客変化と環境変化の中で企業が生き残っていくためには効率的なマーケティング・営業活動が必要だ。自社のサービスがどのような企業に売れるのか、自社が手を伸ばせていない潜在顧客層はどこなのかを分析し、ターゲット企業を常に把握しておくことが、激しい環境変化に取り残されないためには欠かせない。  

顧客分析を行う前に押さえておきたい三項目

 顧客分析は、ただ単に顧客の情報を集めればいいというものでは無い。商談成立に繋げるうえで、効果的な顧客分析をするために押さえておきたいポイントを三つ解説する。

1.ペルソナを明確にする

 ペルソナとは商材を利用する典型的な架空の顧客像のことだ。このペルソナを明確にすることによって、相手のニーズを意識した商材を開発したり、共感性の高い商材をアプローチしたりすることが可能になる。商材開発を行ううえでも、ペルソナが曖昧なままでは方向性がずれていってしまうことも多い。つい入り込んでしまいがちな開発者の意思や好みを排除するためにも、最初に明確にしておくべき点だ。

 設定したペルソナから自社が求めている顧客像を定義させる。これができていなければ分析もできない。マーケティング施策を効果的に行うためにも意識しよう。

2.市場規模の将来性を分析する

 メインとしている市場規模において、今後どのように顧客が変化していくのか、現状の市場規模はどの程度続くのかを分析しておく必要がある。様々なIT技術の進歩から既存なツールが使われなくなりより便利なツールが使われるようになるなど、変化が激しくなっているビジネス業界において、変化を予測しながら長期的な目線で捉えるのは賢明なことだろう。分析結果によっては今まで目を向けていなかった新しいタイプの顧客獲得を目指す必要が生じるかもしれない。つまり、市場がどのように展開するかを分析によって予測ができれば、より新規の顧客を獲得しやすくなるのだ。

3.確認したニーズを共有する

 設定したペルソナをもとにニーズを確認したのなら、自社のチーム全体で共有するのを忘れないようにしたい。開発部門やマーケティング部門、営業部門、メディア広報部門などがあるがそれぞれの認識を共通化させなければ、軸がぶれて効果が発揮されにくくなってしまう。関係する人数が多い場合には、チャット機能が搭載されたコミュニケーションツールを用いるなどの工夫をすれば負担が少ないだろう。

BtoBビジネスの顧客は「企業」「部署」「人」の面から分析すべき

【画像】Shutterstock
 顧客分析は、社製品やサービスを購入した顧客の属性と購買行動を紐解くことで、潜在顧客へのアプローチも含め、自社のサービスを求めているターゲットを見極められる特徴を持つ。これはBtoBであっても、BtoCであっても同じことだ。  

 BtoBビジネスにおける顧客とは、「企業」「部署」「人」の切り口で捉えることができる。自社製品のペルソナやターゲット、カスタマージャーニーなどを考えるとき、この三種類を想定すべきだ。ターゲットとして分析すべき属性・購買行動の例を提示する。

・企業
 業種・商材・売上規模・所在地・業界・最近の業績など

・部署
 総務・経理・営業・カスタマーサクセス・システム・マーケティング・広報・物流・財務など

・人
 役職・チームの規模・業務内容・使っているツール・フレームワーク・個人の目標・個人の課題など

 例えば同じサービスを総務部門へ販売するとき、売上規模が100億円の企業と、売上規模が1億円の企業とでは、必要なアプローチが違ってくるはずだ。

 そのため、自社ですでに保有している顧客データを分析する際には、MA(マーケティングオートメーション:マーケティング活動を自動化するツール)やCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント:顧客管理システム)に蓄積された顧客の基本情報やステータス、これまでのタッチポイントなど個人単位で把握するのはもちろん、合わせて企業や部署などの情報も一緒に紐付けて社内で簡単に共有できるように管理  する必要がある。しかしながら、上記のような状態で管理できている企業は少ないのが実情だ。

顧客情報が正確でないと、分析しても意味が無い 顧客データ管理をするうえでの課題

 せっかくMAやCRMなどのツールを導入していても、保有している顧客データが以下のような状態となっていないだろうか。

・ 顧客企業あるいは本社・事業所の名前や所在地、電話・FAX番号といった情報しか記録されていない

・定期的なメンテナンスを行えておらず、情報が古い。担当者が現在も在籍しているか分からない

・資料ダウンロード、自社セミナー申込、メールマガジン登録など施策によって入力項目がバラバラで統一されないまま、顧客データを獲得している

・担当者が手動で入力しているため、誤字や脱字・表記揺れがある。個人のエクセルで顧客データを管理している。

 上記のような状態では、訴求や商談で使えるデータが少ない、あるいは正確でない可能性があり、以下のような問題が起こりうる  。

 担当者名・役職・電話番号・メールアドレスなどの項目を統一して顧客データを集めなくては、企業・部署・人が結び付かないため、その情報に意味が無くなってしまう。特に部署や役職といった情報は直接取引している相手に決裁権があるかどうか  を判断する重要な情報だ。決裁権がある人物は間違いなく商談のキーパーソンとなる。受注するためには、キーパーソンを見極めなければならない。

 企業規模が大きくなった場合などに、特に注意すべきなのはデータの入力フォームの統一だ。なぜなら、フォームを統一することで、部署を横断してデータを生かせる可能性があるからだ。大企業ほど、プロダクトごとに部署が分かれ、それぞれ施策が独立して行われることもある。そういった場合、部署や施策ごとに入手したい情報が異なる場合も出てくるだろう。部署ごとに入力フォームが違っていては、項目の数や内容の違いから、データを行き来するたびに細かく修正せねばならず、時間と手間がかかってしまう。  

 常に顧客のデータを最新のものに更新できているかにも注目すべきだ。データが古かったり、間違っていたりすると、顧客の分析が正常に行えない。また、アプローチをしようとしても、連絡先が変わっていたり、すでに退職していたりすることもあるので、情報は最新の状態にしておきたい。  

 さらに担当者が手入力をしていると、誤字脱字が発生するだけでなく、半角や全角あるいはカタカナや英語表記など担当者によって入力方法が異なるかもしれない。会社名は名刺と合わせてウェブサイトでも調べる、読み方も合わせて入力するなど、入力方法を統一するようレギュレーションを決めておくべきだ。

 また、個人のエクセルでの管理は、誰がいつ入力したかを把握しづらく、同じファイルがいくつも存在すると最新版が分からなくなってしまう。複数人で顧客データを入力するのであれば、エクセルより管理ツールの方が管理しやすい。

 このように、入力された情報が不足している、あるいは正確かどうかが分からないデータで顧客ニーズを分析しても、確かな示唆は得られず、効果が出る戦略立案はできない。では、どのように顧客データを管理すべきなのだろうか。

顧客データ管理を行うポイント

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 特にポイントとなるのは社内でのデータの一元管理  と内容の整理だ。膨大なデータがあったとしても、すぐに解析することができなければ意味がない。アナログの管理ではミスが生じることも多々あるうえに人件費がかかる。

 また、一元化されていない場合は様々な部署からデータを集める手間が生じる。その度に作業の手を止めてしまうことになるため、時間も労力もかかるだろう。正確な情報をスピーディーに分析するためにはデータの一元化は必須だ。

 結果として、どの部署でもスムーズに情報が活用できるようになれば、欲しいデータを入手するまでの間のストレスが減り、業務への意欲も高まるだろう。改善に向けての指標も立てやすいのではないだろうか。

顧客分析の第一歩は、顧客データベースの構築から

 ここまで正しい顧客分析を行うために乗り越えるべき課題や、ポイントを列挙したが、いずれもデータクレンジングツールによる正しい顧客データベースの構築が有効だ。

 データクレンジングとは、全角文字や半角文字、株式会社と(株)など、担当者ごとにデータベースに入力する情報が異なる場合があるので、適切な情報に修正・統合する作業のことを指す。

成果が出る顧客分析を行うために

 変化が激しい現代において、顧客を分析して正確にそのニーズを知るためには、まず自社の顧客データベースの見直しが必要だ。社内に散らばった顧客データを統合し、企業・部署・人の三つのデータを紐付けることで、ようやく顧客分析のスタートラインに立てる。顧客データベースの構築と管理を適切に行えば、マーケティングはもちろん、営業活動の効率化が期待できる。将来性のある指標を立てることも可能だ。正確な情報に基づく顧客分析で、顧客が求めるニーズをぜひ掴んで欲しい。

 そのためにも先述した、データクレンジングの導入が求められるだろう。そこで一例として、法人向け営業DXサービスの市場動向調査において、9年連続で1位を獲得しているSansanが提供している顧客データ統合サービス「Sansan data hub」を紹介したい。名刺管理サービスを提供する過程で蓄積された独自のAI技術とノウハウによって、社内のデータを正規化・統合が可能だ。さらに、外部情報ソースと連携し、会社情報にさらなる情報を付与してリッチ化。付加価値の高い、マーケティングに最適なデータへと進化させることができるだろう。

 顧客データの基盤作りのためにも、「Sansan Data Hub」を活用してみてはいかがだろうか。詳細を下記からぜひ確認してみて欲しい。

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