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マーケティング 2021.03.26

企業の成長フェーズで異なる、BtoBマーケティングの戦略・手法とは

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 ウェビナーや資料ダウンロードなどの施策でリードは獲得できているが、商談に繋がらず苦戦する企業は少なくない。本記事では、購買プロセスの変化に対応したこれからのBtoBマーケティングについて、企業の成長フェーズ別の戦略や手法を紹介する。

【画像】shutterstock

目次

いま、BtoBの営業・マーケティング活動に急激な変化が起きている

 新型コロナウイルス感染症の影響で、BtoBの営業・マーケティング活動には急激な変化が起きている。テレワーク、ウェブ会議、ウェビナーが主流となり、顧客との接点はオンラインが中心となった。いくつかの企業が本社ビルの売却や賃貸の解約をしたというニュースもあり、この大きなトレンドは新型コロナウイルスが収束しても続くと想定される。

 したがって、企業としては事業を継続するためには、一刻も早く営業・マーケティング活動のオンラインシフトに対応する必要があるのだ。

 では、実際にどのような変化が起きているのか、大きく下記の二つが挙げられる。

1.購買プロセスの変化

 インターネットの普及に伴い、買い手と売り手の情報格差がなくなったことで、顧客の購買プロセスは年々変化している。特に、顧客自身が情報収集・競合比較までを行うことができるようになり、営業担当者に会う前にサービスの比較検討が終了している状況である。

BtoB企業は、購買意思決定プロセスの57%をサプライヤーに連絡する前に済ませている
【画像】編集部作成
 米国のコンサルティング会社CEBによる調査では、法人の購買プロセスの57%を営業担当に連絡する前に済ませているとのこと。つまり、営業に連絡する前から意思決定は決まっているのだ。
製品・サービスの情報源、1位は企業のウェブサイト
【画像】編集部作成
 また、トライベック・ブランド戦略研究所の調査によると、最もよく参考にする仕事上の製品・サービスの情報源(2019年)は、「企業のウェブサイト」が66.6%で1位であり、次点の「営業員・技術員の説明」の48.2%を大きく上回っている。しかも、2016年から2019年までの4年間の調査結果を比較してみると、着目すべきは企業ウェブサイトの比率が年々伸びていることだ。残念ながら、2020年のデータは出揃っていないが、企業のウェブサイトはさらに伸びているものと推測できるだろう。
【出典】BtoBサイト調査 2020年版2019年版2018年版2017年版  “仕事上の製品・サービスの情報源”|トライベック・ブランド戦略研究所

2.新型コロナウイルスの影響でオンライン施策へのシフトが加速

 この大きな潮流は、新型コロナウイルスによる「非接触・非対面」推奨の流れで、急激に加速した。営業・マーケティング担当者は、従来から活用されている展示会出展やセミナー開催、訪問営業などのオフライン(リアル)施策ができないため、オンライン施策にシフトせざるを得ない状況が続いている。

 さらに、これまでデジタル活用に二の足を踏んでいた企業も、デジタルマーケティングの強化に取り組み始め、オンライン上の活動は熾烈な争いの場と化しているのだ。オンライン上でも熾烈な争いに勝ち、売上に繋がるマーケティング戦略がこれまで以上に求められる。

BtoBマーケティングの特性とは?

【画像】編集部作成
 BtoBのマーケティングは、BtoCとは異なる特性がある。オンライン主流のマーケティングにおいても、この違いを意識したマーケティング戦略を展開することが重要である。この中で二つの大きなポイントを解説する。

購買に関与するステークホルダーが、複数&他部門

 BtoBソリューションの購入に関わる人の数は平均すると6.8人といわれている。例として、勤怠管理システムで解説しよう。

 人事部門のキーパーソンがメインで検討するが、実務担当者は使い勝手が気になり、決裁承認を得る役員の関心事は投資対効果であると、キーパーソンは双方が納得できるよう検討を進める必要がある。さらに、クラウドサービスであれば、情報システム部門としてはシステムの安定性が気になる。法務部門はセキュリティーリスクが関心事となる。
役員 投資対効果、働き方改革
人事部門(キーパーソン) 勤怠管理システムを社内に導入するにはどうしたらよいか
人事部門(実務担当) 使い勝手、業務効率の向上
情報システム部門 システムの安定性、手離れ(問い合わせは来ないか、トラブル時のサポートが手厚いか)
法務部門 サービス規約の妥当性、セキュリティーリスク
購買部門 信用・財務・コスト
■例:勤怠管理システムを検討する際の購買関与部門と関心事
 このように、商品・サービスの高機能化およびクラウド化、組織の分業化により、購入に至るまでのステークホルダーは多数になり、その部署・役割も複雑化しているのだ。

検討期間が長期間

 BtoCにおいても、不動産や高価な商品・サービスは検討期間が長くなる傾向があるが、BtoBの場合は基本的に長期間の検討を経て購入されることが多い。全社に影響があるものや業務プロセスを変更するもの、長く使用するものは十分な検討・検証・準備期間を経て導入されるからだ。

これからのBtoBマーケティングに不可欠な二つの要素

【画像】shutterstock
 「購買プロセスの変化」は新型コロナウイルスの流行を機に急激に加速したことは紛れもない事実である。BtoBビジネスの二つの特性「購買に関与するステークホルダーが6.8人」「検討期間が長期間」を踏まえ、これからのBtoBマーケティングを成功させるために必要な二つの要素を解説する。

1.多数のステークホルダーを押さえる

 従来は営業が顧客との会話の中で、各々の部門の関心事に応えることができていたかもしれない。購買プロセスの変化により顧客自身が情報収集、選定する時代では、マーケティングの段階から、正しい顧客データ(所属企業、部署、役職、連絡先など)を蓄積し、集約することが求められる。そしてそのデータを活用し、ステークホルダーの関心事に沿った適切なアプローチを展開する必要がある。

2.マーケティングの段階で勝負が決まる

 営業と接触する前に情報収集と選定を終わらせる顧客に対しては、オンライン上で商材に魅力を感じてもらわなければ、興味を持ってもらうことすら難しい。すなわち、マーケティングの段階で、いかに商材・サービスを訴求し、興味関心を高められるかが、商談につながるかどうかの重要なポイントとなってくる。

 この二つの要素は、これまでのBtoBマーケティングと特に変わらないのではと思われる方もいるかもしれない。しかしながら、これまでと大きく異なるのはオンライン前提であることだ。オンライン上では、顧客の行動履歴や属性などあらゆるデータが取得しやすくなる。データを活用する企業とそうではない企業では得られる成果に差が生じるのである。

 つまり、これら二つの要素を踏まえると、オンライン時代のマーケティング活動を実現する鍵は、「データの蓄積と集約」にあるのだ。

データを活用できていない企業のマーケティング課題

 しかしながら、データを活用できる状態で蓄積できていない企業は多い。獲得したリードに対して、データを活用して適切なアプローチで商談につなげ、マーケティング貢献での売上を立てるためには、データの蓄積・集約が必要であるが、以下のような状態でデータを保有している企業が多い。

1.データに抜けが多く、活用できるデータが少ない

 蓄積した顧客データを営業やマーケティングに活用しようとしても、部署や肩書情報が抜けていてメールアドレスしか分からないことは往々にしてある。これでは、正確な分析や適切なアプローチを実行することはできない。

 例を挙げると、マーケティング部門から人事部門に異動したリードに対し、マーケティング業務の効率化を実現するサービスを紹介してしまい、迷惑がられるばかりか会社のイメージダウンに繋がるケースも挙げられる。これは顧客データを最新の情報に更新していないことが原因である。

2.顧客データが社内でばらばらに保有されている

 営業部門とマーケティング部門が別々に顧客データを管理している企業は多い。また、同じ部門においても、ウェブサイトや展示会、ウェビナーで入手した顧客データをそれぞればらばらにExcel管理している企業も少なくない。顧客データが集約されていない状態では効率的で効果的な営業・マーケティング活動は困難を極める。

 顧客接点を網羅し適切なアプローチをするためには、自部署で持っている顧客の情報だけでなく、社内のあらゆる部門の接点情報を集約し、顧客データベースで一元管理することが必要である。

Sansanの事例で解説! 成長フェーズ別のBtoBマーケティング戦略とは

【画像】shutterstock
 Sansanでは従業員数200名未満の創業期および500名以上の拡大期において、事業戦略の変化とともに、マーケティング戦略を変えてきた。しかしながら、秀逸なマーケティング戦略であっても、オンライン上の熾烈な争いを勝ち抜くためには、データドリブンな意思決定やアプローチなくては大きな成果を出すことは難しい。

 ここでは、Sansanにおける事業フェーズ別のマーケティング戦略に加え、肝となる「データ」に関する課題と解決方法を解説する。

1.創業期のマーティング戦略

 創業期は、新規導入企業数を増やす必要があった。そこで、顧客データの収集から案件化まで高サイクルで回すマーケティング戦略を展開した。しかし、当初は顧客データを一元管理しておらず活用できていない状態に。そこで、あらゆる顧客データを漏れなくデータ化する仕組みを構築し、データドリブンなPDCAサイクルを実行可能にしたのだ。

2.拡大期のマーケティング戦略

 拡大期は、エンタープライズ企業の攻略を重点戦略とした。マーケティング戦略としてはアカウント(企業)を選定し、法人ごと部門ごとに綿密なアプローチを練ることが重要である。しかし、顧客データの重複・表記揺れが原因で戦略を立てづらい状況だった。そこで、顧客データを企業単位で集約することでABMを実現した。

 さらに詳しい情報を知りたい方は、こちらの資料をダウンロードしてほしい。
ABMとは?
ABMとは、アカウント・ベースド・マーケティング(Account-Based Marketing)の略。アカウントとはターゲット企業のこと。ターゲット企業を選定して戦略的なアプローチをするマーケティング手法を指す。アカウントを選定し、顕在/潜在ニーズを分析した上で、社内のあらゆるリソースを活用してアプローチを展開する。

成長フェーズ別のマーケティング戦略を加速するために

 BtoBの営業・マーケティング活動は、インターネットの普及による購買プロセスの変化に加え、新型コロナウイルスの影響によって、急激な変化が起きている。変化が激しい世の中を勝ち抜いていくためには、「マーケティングの段階で商品・サービスをいかに訴求するか」「多数のステークホルダーを押さえるか」の二つの要素が鍵となる。

 この二つの鍵となる要素を実現するためには「正確で最新なデータの蓄積と集約」が欠かせない。データベースが整うことで、データドリブンな意思決定やアプローチが可能になるのだ。Sansanの事例をもとに成長フェーズ別のマーケティング戦略を紹介したが、ここでもフェーズを問わず一貫しているのは「データの蓄積と集約」である。

 Sansanを活用して、事業の成長を加速させるBtoBマーケティングを展開するための方法の詳細は、資料でさらに詳しく紹介しているため、ぜひ読んでみてほしい。

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