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マーケティング 公開日: 2022.08.26

データドリブンマーケティングとは? 始め方手順や成功ポイントを解説

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 データに基づいたマーケティング活動、すなわちデータドリブンマーケティングの必要性が叫ばれる一方で、根本的な原因がわからないため解決方法がわからない、何かしらの打開策を講じてみても成果が上がらないなど、保持しているデータを上手く活用できていないケースが多い。本記事では、BtoB企業において、データドリブンマーケティングが進まない理由に加え、進める方法ついて解説していく。

【画像】Shutterstock

目次

データドリブンマーケティングとは?

 オンライン、オフラインで収集した顧客のデータを基に、マーケティング施策を実行することをデータドリブンマーケティングという。
見込み顧客の属性や行動といった客観的なデータを根拠にすると経験や勘に頼らず効率的なマーケティング施策を行える。また、効率的にPDCAサイクルを回してマーケティング施策の成果を上げられるのがデータドリブンマーケティングのメリットである。

BtoBビジネスにおいて、データを最大限に活用したマーケティング活動が盛んに

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 近年、データドリブンがさらに活用しやすくなるツールとしてMA(マーケティングオートメーション)ツールを導入してマーケティング活動を自動化する企業が増えている。MAを導入した多くの企業では、BtoBのマーケティングにおいてデータを活用する動きが活発化しており、顧客データベースを保有している企業は、高い成果を上げている。

 実際、帝国データバンクが行った「BtoBマーケティングのデータ活用に関するアンケート」によれば、マーケティング活動における評価指標を達成したチームと未達成であるチームの二チームに分けたとき、顧客データベースを構築していると答えた割合はそれぞれ60.1%と28.7%となり、二倍以上の差が見られた。
 現在ではインターネットの発達で顧客データ、商品の出荷データ、リソース配分情報といった業務データなど、さまざまなデータを取得できるようになった。これらのデータを活用した将来の需要予測や効果的なマーケティング戦略の提案が盛んに行われている。

 データドリブンマーケティングは、人手不足やマーケティング予算の縮小に見舞われている企業にとってもメリットがある。なぜなら、データを駆使することで、マーケティング施策の成功率を上げながら、業務を効率化し、マーケターは見込み顧客や施策の分析に専念することができるようになるからだ。

 データドリブンマーケティングの実行に際して、BtoCと異なり、BtoBの取引では以下の情報が必要となる。

●    企業情報:会社名、住所、業種、従業員規模、売上高、商材など
●    人物情報:メールアドレス、電話、部署、職種、役職、決済可能な予算、社内での立ち位置、興味関心など
●    行動情報:オンライン(ウェブページ閲覧、メール開封・クリック、閲覧した広告など)での行動、オフライン(イベント、展示会、架電、商談、購買など)での行動
 このような情報(データ)を掛け合わせ、多角的に分析することで、顧客に対して適切なアプローチが可能になる。
 
 データドリブンを利用したアプローチの具体例は以下の通りだ。

●   イベント来場者にお礼メールを配信したところ、メールを開封し製品資料をダウンロードしてくれた。これらの行動から自社製品への関心が高そうなので、アポイントメントを打診してみよう。
●    ある業種の企業から問い合わせがあった。この業種からは過去何度か問い合わせをもらっているので、ターゲットにできそうだ。アクセス解析によると、今製品資料ページを開いているので、電話をしてみよう。

必要なデータを管理・分析するためにMAを導入する企業が増加中

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 データドリブンマーケティングが注目されるにつれ、MAツールを導入する企業が増えている。2020年に発表された株式会社矢野経済研究所の調査によると、2020年のMA市場の市場規模(事業者売上高ベース)は447億3500万円で、前年比111.3%となる見込みだ。同社では毎年MA市場の規模推移予測を発表しており、2025年には2020年対比で165%、737億円になると予想している。
 MA導入が増加し続けているのは、先に挙げたように定量的なデータを軸にマーケティングを行う必要性が認識されるようになっているからだ。

 また、訪問営業や電話に応対してもらえる確率が以前より低下した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で多くの企業でテレワークが取り入れられ、オフィスに出社する人が少なくなったり、電話の外部取次サービスが使われたりしているからだ。電話だけでなくメールやウェビナーなど、コミュニケーションの手法についてもオンラインシフトをしていかなければ、コロナ禍以降で生き残れなくなっている。

 加えて、商品・サービスを購入するときにはインターネットで情報を集めるなど、現代では顧客による比較検討のプロセスにオンラインでの調査が組み込まれることが少なくない。そういった状況下で顧客を獲得するためには、より一人ひとりのニーズに寄り添ったアプローチをする必要がある。それを可能にするのがMAだ。

 MAは見込み顧客のデータを管理・収集し、分析を助けるマーケティングツールである。個別のニーズに答えなければならない現代でデータドリブンマーケティングを行うのであれば、MAはぜひ導入しておきたい。

 一見万能に見えるMAだが、実は導入するだけでは思い描くようなデータドリブンマーケティングで成果を出すことは難しい。そもそもMAに入れるデータが正確でない、あるいは古い情報である場合、正確な分析ができないからだ。まずは保有リードの情報を整理する必要がある。

企業が陥りがちな“データの質”に関する落とし穴

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 データドリブンマーケティングにおいて、大量のデータを集めることにフォーカスしている担当者もいるだろう。確かに一定量の情報を獲得することも必要であるが、実は、多くのBtoB企業でデータドリブンマーケティングが進まないのはデータの質が悪いことに起因している。

 質の悪いデータの具体的な例を以下に列挙する。

人物情報が古く、欠けがある

 人物情報とは、名前、メールアドレス、電話、部署、職種、役職などを指す。入力された人物情報が古いものだったり、メールアドレスだけ抜けていたりしないだろうか。知らないうちにその人物が異動あるいは退職している場合もある。

フォームに入力された情報に表記揺れや誤記がある

 顧客が情報入力時に略称を用いていると、会社名や部署が正確に判定できない。同じ会社・部署であるにも関わらず、違う会社・部署だと判定されてしまう可能性がある。

リード情報や行動情報の管理方法が、施策ごとにばらばらになっている

 顧客が情報入力時に略称を用いていると、会社名や部署が正確に判定できない。同じ会社・部署であるにも関わらず、違う会社・部署だと判定されてしまう可能性がある。

リード情報や行動情報の管理方法が、施策ごとにばらばらになっている
 資料ダウンロードで取得したリードはExcel、ウェブ訪問履歴はMA、イベント参加は紙の名刺など、施策ごとに管理方法がばらばらになっていないだろうか。MAを導入するのであれば、全てMAに集約した方がよい。また、部署ごとにデータ管理がされている場合も社内で統一すべきだ。

 上記のような状態でデータドリブンマーケティングを実行しても望んだ成果が出る可能性は低い。せっかくMAを使って戦略を立てたとしても、誤ったデータを基に分析しているため、効果が出にくい戦略となってしまう。

 このような事態を避けるためには、MAにデータを移行する前に、データの揺れや間違いを正すデータクレンジングを依頼したり、リードの情報を最新に保つ取り組みを検討したりするなど、データドリブンマーケティングを始めるのであれば、まずは保有している“データの質”を見直してほしい。

 また、データドリブンマーケティングを行う前に、見込み顧客のデータの重要性を社内全体で認識することが重要である。そのためには定期的に施策分析をして、データを用いて原因を分かりやすく伝える努力が必要だ。

データドリブンマーケティングを実施する上でのポイント

組織全体のコンセンサス

 データドリブンマーケティングには正確なデータの蓄積が不可欠である。これには組織全体や上層部の理解とコンセンサスが欠かせない。なぜなら、上層部にデータの収集と分析の重要さと大変さを理解してもらったうえで、専門の担当者を置く必要があるからだ。こうすることで、データの収集や分析が後回しになる心配もない。

データは蓄積して終わりではない

 データは活用して初めて効果を発揮するものである。収集・蓄積するだけにとどまらず分析ステップにも注力し、データドリブンマーケティングで成果を上げたい。膨大なデータを前にすると、どのように活用してよいのかわからなくなる場合があるが、その場合にはデータサイエンスの専門家に分析を外注するか、専門家でなくても扱えるツールの導入などを検討すべきである。

外部要因も考慮する

 過去のデータと現在のデータを比較するとき、前提となる外部要因の変化を考慮する必要がある。例えば新型コロナウイルス感染症拡大前後のデータに大きな変動があったとしても、それは緊急事態宣言などによる人流抑制の影響の可能性が考えられるだろう。コロナ禍はわかりやすい例だが、データに大きな変化があった場合には自社の内部要因だけでなく外部要因の変化も考慮に入れるべきである。

KPIツリーの設定を常に意識する

 データドリブンマーケティングで陥りがちな罠として、無意味に特定の施策だけに固執してしまうことが挙げられる。例えばECサイトのKGIが売上の向上であるならば、KPIはアクセス数やCVR、一回あたりの購入単価といった指標になる。例えばアクセス数を伸ばすためにSEO対策ばかりに固執してしまう人がいる。確かにアクセス数は売上に影響するが、CVRや購入単価を上げて売上を向上させる施策もある。さらにアクセス数を上げるための施策はSEOだけではなくリスティング広告などもある。データドリブンマーケティングを実施する際には、KPIツリー全体を常に意識し、なぜ今この施策に力を入れているのかを常に客観的に説明できなければならない。

データドリブンマーケティングの始め方手順

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1.KPIツリーの設定

 データドリブンマーケティングにはKPIツリーの設定が肝要である。KPIとは、マーケティングの最終的な目標(KGI)を実現するための指標のことだ。また、KPIツリーとはKGIからKPIを通して各施策まで繋がる一連のツリーのことを意味する。例えばECサイトであれば、前述の通りKGIは売上、KPIはアクセス数、CVR、一回あたりの単価などである。そしてさらに各KPIの下に「施策」と呼ばれるサブKPIが連なる。アクセス数に対する施策はSEO対策やリスティング広告、CVRに対する施策はサイト改善、一回あたりの単価であればクーポン施策などが挙げられる。このようにKGIからKPIを通して各施策まで繋がる一連のツリーをKPIツリーという。データドリブンマーケティングを実施する前にはこのKPIツリーをまず作り、目標やそれに対する施策を洗い出す作業をする。

2.データの収集

 データの収集を始めてすぐに分析するのではなく、まずはある程度のボリュームのデータを蓄積する必要がある。なぜなら、データはサンプル数が少ないとランダムな誤差が大きくなり、正確ではなくなるからだ。目標が設定できたらデータ収集のためのツールを導入し、データを蓄積していこう。

 また、データの収集に各現場の社員の協力が必要な場合には、マニュアルを整備するなどして社員同士が協力しやすいように配慮することも重要だ。例えば営業スタッフが商談の内容を記録したり、カスタマーセンターのスタッフが問い合わせのログを記録したりするケースがこれに当たる。経験のあるスタッフは細かく記録するが、未経験のスタッフは詳細に記録できないといった記録者ごとのムラを無くす必要がある。

3.データの可視化と分析

 データを蓄積した後は、分析しやすいようにグラフやダッシュボードとして可視化する必要がある。蓄積したデータがそのまま使えるとは限らないからだ。例えば、例えばWebサイトのアクセスログは、生のサーバーログは暗号のようなアクセス情報の羅列なので、分析しづらい。

 データを可視化する用意ができたら、分析によってさまざまな切り口に加工されたデータから問題点を発見し、施策に落とし込むのだ。この作業にはデータサイエンスやマーケティングに関する高度な知識が必要なため、必要に応じて外部の専門家やパートナーに依頼することも考えよう。

4.施策の実行

 施策を実行する際に注意すべきなのは、最初に決めたKPIとKGIから乖離してしまわないようにすることだ。なぜなら施策を実行するうちに、実行すること自体が目的化してしまい、KPIや最終目的であるKGIを忘れてしまう場合があるからである。

 また、組織全体の協力を得られているかも重要だ。特に上層部がデータドリブンに懐疑的な考えを持っていると、せっかく導き出された施策にNoを突きつけられてしまう可能性がある。それゆえ、上層部にもデータドリブンマーケティングへの理解度を高めてもらうことが必要だ。

5.検証と改善

 データドリブンマーケティングは施策を打って終わりではなく、検証と改善が重要になる。なぜなら、最初の施策でKGI達成まで行くことはほとんどないからである。施策の効果が想定通りに発揮されているか検証し、KGIを達成できるように改善する必要がある。PDCAを繰り返し、改善を重ねていくプロセスこそがデータドリブンマーケティングそのものであると言える。

Sansanの実践例からひもとく、データ活用

 では「データの質を見直す」とは、具体的にどうすればよいのかを解説していこう。

 Sansanでは、創業期から拡大期にわたりデータドリブンマーケティングを実践しており、事業成長を支えたのは「データ活用戦略」だった。名刺管理サービスの認知拡大に努めた創業期、エンタープライズ企業攻略とアップセルで事業拡大を加速させた拡大期では、取り組むマーケティング戦略をその都度変化させている。

 成長フェーズに合わせ、どのように顧客のデータを管理し、質を担保してきたか。Sansanの事例を踏まえ、データドリブンマーケティングの実践方法を下記、資料にて紹介する。

データドリブンマーケティングに取り組む成功事例

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JTBの事例

 JTBは2018年にData Science Central(データサイエンスセントラル)という組織を立ち上げ、本格的なデータドリブンマーケティングを開始した。従来は開発した商品を顧客に売り込むプロダクトアウト方式のマーケティングを行っていたが、消費者がインターネットで旅行商品を調べ、予約、支払いまで手軽に済ますようになってきた背景から、データドリブンを取り入れたマーケットイン方式のマーケティングに転換。収集したビッグデータから旅行に興味を持っている顧客の行動パターンを割り出し、商品開発や広告に活かしている。その結果、広告の反応率が45%を超えたケースもあり、大きな成果を上げているという。

ソフトバンクグループの事例

 ソフトバンクグループはデータドリブンマーケティングの先駆けとも言える企業である。ソフトバンクショップではグループ企業であるSB C&Sが企画・開発したアクセサリーを販売していた。しかし、以前は店舗のスタッフが手作業で在庫の確認を行っていたので、欠品率や売り逃し率が高かった。そこで、これらの作業をAIを用いて自動化したところ、欠品率は18%から3%に、売り逃し率は17%から4%に大幅改善した。

 また、SBテクノロジーは新型コロナウイルス感染症のまん延によって、オフィス街でのオンライン決済が増えている事実をデータからいち早く察知した。それに合わせてスマートフォンから食事の注文と決済ができる『PayPayピックアップ』や『PayPayテーブルオーダー』などの新サービスを開始した。データに基づいて新しいサービスをタイムリーに提供した事例と言える。

Amazonの事例

 一般消費者にとって身近なデータドリブンマーケティングといえばAmazonであろう。AmazonのECモールを利用したときに「よく一緒に購入されている商品」とか「あなたにおすすめの商品」といったレコメンデーションを見た経験があるだろう。あれこそが蓄積された購買データに基づくデータドリブンマーケティングである。この機能によってAmazonは大幅に顧客エンゲージメントを向上させることに成功した。その結果、このレコメンデーションからの売上はECモール全体の35%以上にも上っている。

初めの一歩として、まずはデータの質の見直しを

 ここまで解説してきたように、データドリブンマーケティングを適切に導入すれば、マーケティング施策のパフォーマンスは飛躍的に向上するだろう。しかし、それはデータが正しく蓄積されているのが前提となる。そのため、データの正確性を担保できるサービスを導入するのが便利だ。サービスを導入するなら、数あるサービスの中でも古くから名刺管理で技術を培った「Sansan Data Hub」がおすすめである。「Sansan Data Hub」なら、社内に蓄積された顧客データを整理・統合し、マーケティングに最適なデータへ進化させることが可能だ。データドリブンマーケティングのファーストステップとしてぜひSansanのサービスを導入してみてはどうだろうか?詳しくは以下の資料で解説してあるのでぜひ読んでいただきたい。

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