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その他ビジネス 公開日: 2022.08.31

RPA導入でテレワーク下の業務を最適化、ポイントや注意点を解説

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 コロナ禍で多くの企業がテレワークを導入することになった。テレワーク下で業務のデジタル化がより一層推し進められるなかで、RPAを導入して業務効率化を図ろうとする企業も増えている。本記事では、テレワーク環境でRPAを導入する際のポイントや注意点などについて解説する。

【画像】Shutterstock

目次

RPAとは

 あらためて、RPAとは何だろうか。RPAとはRobotic Process Automationの略称で、AI・機械学習技術を使って業務を効率化する技術のことだ。RPAは例えば、交通費生産チェック業務や商談日報のチェック業務、派遣社員の勤怠データ収集・メール送付など、さまざまな業務に応用可能となっている。

 RPAとよく混同されるテクノロジーとして、AIとVBA(マクロ)がある。それぞれとRPAとの違いについても説明しておきたい。

 RPAとAIの違いは自動的な判断が行えるかどうかにある。RPAは業務効率化のために利用されるシステムなので、AIのように自ら判断することはできない。一方でAIは自律的に判断する上、さまざまな用途に用いられる。RPAは基本的に最初に設定した振る舞いの範囲内でしか動かない上に、AIを利用する。

 RPAとVBAの違いは、その自動化の範囲であろう。RPAは業務効率化のために、メールや業務システム、Excelなど、さまざまなシステムを横断して自動化できる。さらに、人の手を使ってアナログに操作するしかないことにも使える。一方でVBAは、Office系ソフトのマクロ機能拡張などに使われるプログラム言語に過ぎず、その利用範囲がまったく異なっている。

 RPAが得意とする業務は、定型的な業務だ。ルールに従って行われる毎回同じ処理などは、RPAに任せるとよい。

テレワーク普及でRPAが注目される理由

【画像】Shutterstock
 テレワークが進んでいくことによって、あらためてRPAが注目されるようになってきた。その理由について解説したい。

 テレワークをするための前提として、多くの企業で業務のデジタル化が推進された。業務のデジタル化が進めば、RPAが適用可能になる。そこで、デジタル上で完結する業務を効率化してさらに生産性を高めるために、RPAが求められたというわけだ。

 また、テレワークが進むと出社する機会が減る。しかし現実には、出社しなければ処理できない業務があるのも事実だ。そもそも従来であれば人が毎日出社していたので問題なかったのだが、テレワークによって恒常的に人が出社しない部署が出てきて問題が発生した。しかしRPAを利用すれば、デジタル上で行われる処理であれば自動で任せられる。従来、出社して行なっていた業務をRPAに任せたい、という思いから導入するようになった企業も増えつつある。

 テレワークが推進されていくに従い、在宅勤務によって働く従業員の労働管理が問題となってきている。リモートで管理しにくい従業員の代わりに、RPAを導入することで着実に素早く業務を処理することができるためだ。

テレワーク下でRPA利用するときのポイント

 テレワークでRPAを利用するときのポイント・注意点について解説したい。

 まず気をつけなければならないのが、セキュリティだ。RPAはソフトウェアなので、ウイルスなどによってRPA自体が乗っ取られるリスクがある。また、決められた操作しかできないので、イレギュラーな対象を処理しなければならなくなった際に、セキュリティリスクが発生することもある。あらかじめセキュリティについてはさまざまな角度から対応しておく必要があるだろう。

 テレワークをする上でRPAを利用するポイントとして、社内との信頼関係づくりは欠かせない。一つの部署にRPAを導入するにも、多くの関連部署と協力しながらRPAのシナリオ設計などを行わなければならない。特に、システム部門との連携は重要だ。RPAを導入する際にも主体的に動いてもらう必要がある上、RPAの導入が終わった後にも維持・管理のためにシステム部門の力が必要になる。

 RPA担当者の育成も重要だ。RPAは社内の様々なシステムと連携させることがあるため、システムの仕様変更があると機能せず、エラーとなってしまうことがある。そこでシステム管理部門との情報共有や、影響の範囲の事前把握、動作確認など維持・管理にも継続して取り組める人材をアサインしなければならない。

 テレワークをする上で業務を効率化するために真に必要なRPA対象のタスクを洗い出すことも不可欠だ。業務の洗い出しにあたっては、普段対象業務を担当している業務担当者から業務について綿密にヒアリングする。

テレワーク下でのRPA活用事例

【画像】Shutterstock
 テレワーク下でのRPA活用事例をいくつか紹介したい。

小売業の事例

 とある小売業者では、営業部門や人事部門、経理部門など、多くの部署でRPAを活用して業務効率化を図っている。

 従来までは前日の売上集計のためだけに、毎日始業前に出社して売上データを手作業で入力する必要があった。これが業務の中でも特に厄介だったという。しかし、売上データの入力から出力まで全てRPAで実施できるようになったため、テレワーク下でもわざわざ出社してデータ入力業務を行う必要がなくなった。

 テレワークを推進していく上で、RPA導入を前提に出社する必要がある業務とない業務をあらためて切り分け直す必要があるだろう。その上で、RPA化できる業務は積極的にRPA化していけばよい。この事例のように、データ入力のような単調作業はRPAに任せよう。

人材業の事例

 人材事業を行うネオキャリアでは、多くの場面でRPAを活用している。最近では、採用アウトソーシング事業に力を入れているが、採用アウトソーシング業務の一部にRPAを導入している。

 ネオキャリアのアウトソーシング業務では、顧客企業への報告書送信業務と、応募者への応募受付メール送信業務の二つの業務をRPAによって自動化している。メールを受け付けたことを感知し、送信することもRPAで自動化できる。さらに、社内共有ツールへの定型的なデータ転記作業にもRPAを利用しているという。

 人材業界のようなテレワークが多い業界では、RPAの活躍の幅も広い。メールの送受信などの業務についてもRPAは利用できるので、テレワーク下での営業プロセスや事務プロセスの自動化に利用できる。

広告・メディア業の事例

 オンライン広告代理店のイーエムネットジャパンは、営業部門や管理部門で発生する定型的な転記業務を自動化できないか考えた結果、RPAの導入を決断した。テレアポ先のチェックリスト作成業務については1日あたり30分〜1時間程度の時間を削減、レポート作成業務については従来の業務を全て自動化できた。

 同社では、テレワーク下で従業員がVPN環境を利用できない点がネックであった。しかし、RPAを導入することで、出社しなくてもRPAのロボットが業務をこなしてくれるため、わざわざ出社して業務をする必要もなくなった。

 セキュリティの関係上社内でしかできない業務がある企業であっても、イーエムネットジャパンのようにRPAを導入することで解決する方法もある。

代表的なRPAツール

【画像】Shutterstock
 代表的なRPAツールを五つ紹介する。

WinActor

 WinActorはNTTの研究所から生まれたRPAツール。現在では金融業や物流業など、幅広い業種に導入されていて、導入実績は7,000社を超えている。NTT製のため、わからないことが出てきた場合にも手厚いサポートを期待できるだろう。

 NTTグループが現場で利用するなかで、日本企業に合った形で磨き上げてきたRPAは、日本企業にとって使いやすい仕様になっている。プログラミングせずとも自動化可能で、クライアントPC1台からでも導入可能だ。

RoboTANGO

 RoboTANGOは業務の操作を録画しているだけで簡単にロボットを作成できるRPAツール。社内にRPAに精通したエンジニアがいなくとも、プログラミング不要でRPAを作成できる。一つのライセンスを複数のPC端末で利用できるので、テレワークでさまざまな端末を使わなければならない場合にも好都合だ。1ライセンス5万円、最低利用期間1カ月から開始できるので、「まずはRPAを試してみたい」という企業にも相応しい。サポート体制もあるので困ったときにも安心できる。

Robotic Crowd

 Robotic Crowdはクラウド型のRPAツールで、従来のRPAツールとは違いRPAツールを使用するためにPC一台を占有する必要がなく、他部署で同時に利用できる。専門的なプログラミングの知識も不要だ。利用中にわからないことが出てきても、手厚いサポートがあるので安心だ。Web上の情報収集やメールの送受信、求人サイトの作業やレポーティング業務、勤怠システム管理や反社チェックなど、利用用途は幅広い。

BizteX cobit

 BizteX cobitは専門知識不要でプログラミングなしでもロボットを作成できるRPAツールだ。最短即日で導入可能というスピーディーさも、ベンチャー企業などには嬉しい点だろう。導入後もチャットでの無料サポートがついているので気軽にわからないことを質問できる。テキストの取得・入力、メール送信機能、タイマー予約、組織管理機能、Googleスプレッドシート連携など、業務効率化に役立つさまざまな機能がついているRPAツールだ。

UiPath

 UiPathは基幹業務での導入実績が豊富な中規模〜大規模企業向けのRPAツール。プログラミング不要で本格的なRPAが作れる他、プログラミングを駆使すればより複雑な業務プロセスの効率化も実現できる。UiPathは「ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2021」において国内RPA市場シェア4年連続1位を達成した。大規模な業務効率化に挑む際にはぜひ導入を検討したいRPAツールである。
【参考】UiPath

テレワーク下ではデジタル化された業務の最適化が生産性向上のカギに

テレワークを推進していく上で、業務のデジタル化は不可欠だ。デジタル化された業務はRPAとも相性がよく、RPAツールを活用することでさらなる業務効率化が期待できる。RPAツールのなかにはプログラミング不要のツールも多いため、プログラミング担当者が社内にいない企業であっても、気軽に活用を検討してみてほしい。

 さて、ここまでテレワーク下でのRPA導入について解説してきたが、デジタル化された業務の効率化を達成するための手段はRPAだけではない。

 例えばテレワークの推進によって、対面営業の機会だけでなく、オンライン営業の機会が増えた。オンライン営業は商談も取り付けやすいが、顧客とオフラインで会う場合よりも事前調査が必要になる。そこで営業を強くするデータベースのSansanが有効だ。Sansanは顧客企業のデータベースが標準搭載されており、顧客が現在直面している課題を浮き彫りにできる。また、顧客について集めたデータが蓄積されていくので、より詳細なデータに基づいて商談可能だ。

 テレワーク下では請求書管理業務の効率化も課題だ。データで請求書を送付してくれればよいのだが、郵送で紙の請求書を送付してくる企業も依然としてある。そこで『Bill One』がおすすめだ。『Bill One』を利用すれば、紙・デジタル両方の請求書を受領し、データベースに入力するまでの業務を一元管理してくれる。

 RPAツールだけでなく、これらの業務効率化ツールもセットで活用し、さらにテレワークを推進してもらえれば幸いである。

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