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その他ビジネス 公開日: 2022.09.06

DXの第一歩、場所を問わずに利用できるクラウドサービスで仕事の効率をアップ

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 テレワークの普及やDXの推進によって、社内システムにクラウドサービスを活用する企業が増えている。しかし、導入されるがまま利用する人も多いが、クラウドサービスとは何なのか、その基礎を詳しく説明できるビジネスパーソンはまだまだ少ない。本記事ではいまさら聞けないクラウドサービスの基本的な考え方などを解説する。

【画像】Shutterstock

目次

クラウドサービスって何?

 クラウドサービスとはアプリケーションやOS、ミドルウェア、ハードウェアなど、インターネットを介した形態でユーザーに提供するサービスをいう。

 従来、ユーザーのローカル環境にアプリケーションやOSは存在するのが一般的だった。例えばMicrosoft Wordを例に取ると、Wordのアプリケーションはユーザーが利用するパソコンやスマートフォンなどの端末内にある。さらにWordで作成したドキュメントファイルなどのデータもユーザーのパソコンの中にある。

 しかし、クラウドサービスの場合はアプリケーションの実行プログラムや作成したデータはユーザーのパソコンなどの中にではなく「インターネット上」に存在する。多くはクラウドサービスの事業者が保有するデータセンター内にあるサーバーなどに存在するが、ユーザーは実行プログラムやデータがどこにあるのか、どのような構成のシステムなのかを意識することなく、インターネットを介してそれらに利用できる。これがクラウドサービスだ。

クラウドサービスの成り立ち

 クラウドという概念がはっきりと初めて提唱されたのは1997年である。当時、南カリフォルニア大学の教授だったラムナト・チェラッパ教授によって提唱された。しかし当時はあまり世間に注目されず忘れ去られた。

 再びクラウドが脚光を浴びるのは2006年のことだ。2006年に開かれたSearch Engine Strategies Conference(検索エンジン戦略会議)というカンファレンスにおいて、当時GoogleのCEOであったエリック・シュミットが言及したことで本格的に世の中に知られたといわれている。

 その後、大容量通信が一般化し、非IT系の企業や個人でも高速・大容量のデータ通信が可能になるにつれてクラウドサービスの形態で提供されるソフトウェアの需要が増加し、現在に至っている。

代表的な3つのクラウドサービスのタイプ

個人が利用するソフトウェアのSaaS

 SaaSは「Software as a Service」の略で、ソフトウェアをクラウドの形で提供するサービスだ。本来のソフトウェアという単語はOSやミドルウェアも含むものだが、SaaSにおけるソフトウェアとは「アプリケーション・ソフトウェア」を指し、OSやミドルウェアは含まない。したがって、想定されるユーザーは非エンジニアのエンドユーザーだ。代表的なサービスにはMicrosoft 365、Google Workplace、kintone、Sansanなどがある。

開発者向け、プラットフォームのPaaS

 PaaSは「Platform as a Service」の略で、プラットフォームをクラウドの形で提供するサービスをいう。プラットフォームとはOSやミドルウェア、開発環境など、アプリケーションの開発に必要な環境を差す。つまり、PaaSの想定ユーザーはソフトウェア開発者やベンダー企業であって、エンドユーザーが利用することはほとんどない。代表的なサービスにはAWS(Amazon Web Service)、Microsoft Azureなどがある。

開発者向け、インフラストラクチャーのIaaS

 IaaSは「Infrastructure as a Service」の略で、インフラをクラウドサービスの形で提供するサービスである。IaaSのインフラとはネットワーク、CPU、メモリ、ストレージなどのハードウェア資源を指す。IaaSではこれらを物理的なハードウェアとしてではなく、ユーザーの希望どおりにカスタマイズされた仮想マシンとしてインターネットを介して提供される。代表的なサービスにはMicrosoft Azure、Google Compute Engineなどがある。

企業がクラウドサービスを導入するメリット

【画像】Shutterstock
 これまで、クラウドサービスがどんなものであるか解説したが、これから具体的なメリットについて解説していく。安価で手間がかからないといった普段から嬉しいメリットや、災害時にも役立つといった非常時にも心強さを感じるメリットもある。

導入コストが安い

 クラウドサービスは提供事業者が保有する資源を、インターネットを介して利用できるサービスである。したがって自前でサーバーやソフトウェアパッケージを購入する必要はなく、費用は必要なときに必要なだけのもので済む。その多くは一ユーザーあたり数百円〜数千円の安価な月額料金か、利用している時間だけ課金される従量制であるため比較的低コストで運用できる。

メンテナンスの手間がかからない

 オンプレミスのシステムを自前で導入すると、サーバーのメンテナンスやセキュリティ対策を自分で行わなければならない。一方で、クラウドサービスを利用すれば、それらの作業は運営事業者が行うため、手間や人件費を削減できる。また、自社で専門的な知識を持つ担当者を用意する必要がない。    

災害に強い

 地震などの自然災害が発生した場合、オンプレミス環境では会社とサーバーが同時に被害を受ける可能性があるため、サービス停止のリスクが高くなる。しかし、クラウドサービスであれば、システムに堅牢な災害対策や地理的な分散化などが施されているため業務への影響を最小限に抑えられる。

テレワークに対応しやすい

 オンプレミス環境でテレワークを実施しようとすると、会社内のネットワークにVPNを介して接続しなければならず、回線速度の低下などの課題もある。しかし、クラウドサービスであれば、通常のインターネットを介してログインするだけで使えるため、対応しやすい。

企業が導入する際の注意点

 導入することでさまざまな恩恵が得られるクラウドサービスだが、もちろん注意点もある。ここでは代表的な注意点について紹介する。クラウドサービスの運営事業者自身も営利企業であるため、サービス終了の可能性があるということだけは念頭に置いておきたい。

セキュリティ対策を見直す必要がある

 オンプレミス環境であればサーバーは社内ネットワークの内部にあり、ファイアウォールで守られる。しかしクラウドサービスの場合は「インターネット上のどこか」にあるクラウドサービスにアクセスする。したがって、ハッカーやウイルスの脅威がある「会社外のインターネット」を通してアクセスしなければならず、ゼロトラストのセキュリティ対策が必要である。 もちろん、社内ネットワークも十分なセキュリティ対策をすべきだが、新たに接続するネット回線の安全性を確認するなど利用する社員に周知しなければならない。

オンプレミスのほうがカスタマイズ性は高い

 オンプレミス環境はサーバーもソフトウェアもすべて自社の資産となる。したがって自社の都合が良いようにカスタマイズが可能だ。しかし、クラウドサービスは運営事業者に提供されるものであり、他のユーザーとの共用となるため、カスタマイズの範囲は限定されてしまう。          

サービス終了のリスク

 クラウドサービスはあくまでも運営事業者が提供するサービスだ。したがって、運営事業者の都合により、サービスが終了されたり縮小されたりするリスクがある。その場合は代替サービスを見つけなければ自社の業務に支障が出る。あらかじめサービス終了に備えて代替サービスを検討しておくなどの対策も必要である。

企業で導入されているクラウドサービスの種類

【画像】Shutterstock
    クラウドサービスの定義やメリット、導入時の注意点について触れてきたが、具体的にどのようなサービスがあるのか解説する。既に使っているサービスがないか、市販されているクラウドサービスを使用することで普段の業務が効率化できないか等考えながら読んでいただきたい。

請求書管理システム

 企業の請求書発行や受領を管理するクラウドサービスである。昨今はコロナ禍の影響もあり、請求書電子化の需要が高まっている。毎回、Microsoft Excelなどで電子的な請求書を作るのは手間であるため、テンプレートなどを利用して効率よく請求書を作成するためのツールである。毎月の請求の自動発行や取引先の分析レポート、会計システムとの連携機能なども搭載している場合もある。また、Sansanが提供しているクラウド請求書受領サービスBill One®はユーザー企業の取引先から紙の請求書を受領して電子化してくれるクラウドサービスで、電子帳簿保存法の施行に伴い、注目を集めている。

グループウェア

 社内のコミュニケーションを円滑に進めるためのクラウドサービスとしてグループウェアがある。電子掲示板、メール送信、ビジネスチャット、ワークフロー、スケジュール管理、プロジェクト管理などの機能がパッケージとして提供されており、一つのパッケージを導入するだけで社内コミュニケーションのDXを一気に促進できるものが多い。代表的な製品として「サイボウズ® Office」、Asana®などがある。

CRM/SFA

 CRM(Customer Relationship Management)は「顧客関係管理」と呼ばれるクラウドサービスで、氏名、住所、購入商品など顧客の基本情報だけではなく、顧客の好みや接点の履歴などの情報を総合的に管理し、会社と顧客との関係を良好にするためのツールである。SFA(Sales Force Automation)は営業支援システムと呼ばれ、顧客の情報をデータベース化し、営業ノウハウを共有するツールである。CRMと似ているが、商談の進捗管理や顧客へのメール配信など営業に特化した機能が多い。代表的な製品としてSalesforce、ちきゅうなどがある。

クラウドサービスを上手く活用して生産性を上げよう

 クラウドサービスはインターネットを介してアプリケーションやプラットフォーム、ハードウェアを利用できる仕組みである。DXの一環として、自社に経営戦略に最適なサービスを選びぜひ活用してもらいたい。低コストで手軽なサービスも多いので部分的に利用し、企業の生産性向上に繋げよう。
※サイボウズ、Cybozu、およびサイボウズのロゴはサイボウズ株式会社の登録商標です。
※「Asana」ロゴおよび製品は、米国およびその他の国における Asana, Inc. の登録商標です。

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