その他ビジネス
2019.11.08
異動や転勤時の引き継ぎをスムーズに行うコツを紹介
昇進、転勤、部署替えといった人事異動の辞令が出たら、可能な限り速やかに後任者へ仕事の引き継ぎをする必要がある。特に、取引先の情報やコミュニケーションの履歴といった、人脈の引き継ぎは企業活動を止めないためにも重要だ。
本記事では、引き継ぎ前に知っておきたい引き継ぎ漏れのリスクを最小限に抑える方法を紹介する。

十分な引継ぎを受けられないことで生じる、3つの損害
はじめに、十分に引き継ぎを受けられなかった後任者に生じる損害を見てみよう。
引き継ぎの時間が少なく、業務に慣れるまで時間がかかる
「異動の内示が急だった」「引き継ぐ側も、次の仕事の前任者から引き継ぎを受けなければならず、後任者と話す時間が取れなかった」などの理由で、十分な引き継ぎがなされなかったケース。後任者は業務内容を自力で理解しなければならないため、業務に慣れるまでより多くの時間を要してしまう。
口頭での引き継ぎのため、認識の齟齬が生じる
「 資料を作る時間がなかった」などの理由で、引き継ぎが口頭で済まされてしまったケース。通常業務の流れを記載した業務マニュアルなどが無い場合、聞き逃しや、認識の齟齬が発生する可能性もある。また、情報が整理しづらく、後で確認することもできない。
引き継ぎ漏れがあったためにトラブルが生じる
業務のフローや取引先の引き継ぎ漏れがあったために、仕事に支障をきたしてしまうケース。引き継ぎ漏れが起こる原因としては、上記で述べた時間や資料の不足に加え、「引き継ぎの資料はもらえたが、本人にしかわからない仕様だった」「前任者と後任者の打ち合わせがなかった」「上司のフォローがなかった」などの問題が挙げられる。
前任者の引き継ぎや会社のフォローが不十分でも、後任者は責任をもって仕事を行わなければならない。できるだけ後任者がスムーズに業務を引き継げるよう、普段から業務の整理をしておくことが重要である。
前任者の引き継ぎや会社のフォローが不十分でも、後任者は責任をもって仕事を行わなければならない。できるだけ後任者がスムーズに業務を引き継げるよう、普段から業務の整理をしておくことが重要である。
スムーズに業務の引き継ぎをするための3ステップ
では次に、スムーズな引き継ぎを行うために前任者が行うべき3つのステップを紹介する。
1.引き継ぎをするべき対象とスケジュールを決める
まず、引き継ぎをするべき対象の後任者と、説明のスケジュールを決定する。異動前後は自分の業務も慌ただしくなりがちなので、遅くとも異動の1〜2週間前には引き継ぎを始めたい。引き継ぎの説明を行う前に業務の全容を書き出し、「誰にどんな業務内容を説明すればよいのか」を明確にしておくことがポイントである。マインドマップや箇条書きを使い、業務の流れや要点を洗い出しておこう。
2.引き継ぎの資料を作成し、後任者に漏れをチェックしてもらう
業務内容の洗い出しが終わったら、引き継ぎに必要な項目を資料にまとめ、後任者に一度確認してもらう。自分では分かりやすいと思っている文書や資料でも、人によっては専門知識が必要だと感じることがあるからだ。また、業務内容のフローだけでなく、発生しやすいトラブルへの対処法や顧客とのやりとりなど、前任者の仕事内容が詳細に分かる内容になっていればより親切だ。前任者からもらった資料があると引き継ぎが楽になるため、異動の際に受け取った資料はできるだけ残しておくようにしよう。
3.異動後のフォローも行う
引き継ぎを終えて異動になった後でも、必要に応じて後任者のフォローを行う。あらかじめ「何か分からないことがあれば連絡をしてください」と声がけをしておくのはもちろんのこと、異動した初日や、後任者が業務に慣れてくるはずの1~2週間後にこちらから連絡することも重要である。また、自分が対応しきれなかった時のために、異動前の部署の同僚にフォローをお願いしておくと親切だ。後任者の中には、なかなか周囲に質問できなかったり、業務内容に詳しい人をすぐに把握しきれなかったりすることも多いため、前任者や配属部署の同僚が協力的な姿勢を見せることで、後任者の負担を大きく減らすことができる。
大きな損害を引き起こす「顧客情報」の引き継ぎ漏れ
引き継ぎにおいて、自分だけが知っている情報の引き継ぎは注意すべきだ。特に顧客情報については、引き継ぎ漏れがあると顧客や後任者に迷惑をかけてしまう可能性が高い。
「コミュニケーションの履歴が分からない」リスク
顧客情報の中で特に属人化しやすいのが、相手とのコミュニケーションの履歴である。相手の個人情報は名刺を見れば分かるが、前任者が行った提案の内容や、担当者の好みの土産などの細やかな情報までは分からない。先方に却下されたことがある提案や、何気ない世間話といった、当人同士にしか分からないコミュニケーション履歴は一見ささいな情報であるが、業務をスムーズに進めるために重要な情報であるため、引き継いでおくことをおすすめする。
普段から顧客情報を共有しておくことが大切
ただし、個人の人脈情報を引き継ぐには、情報量の多さがネックとなる。短期間で自分の持つ人脈を文面にすることは難しいため、普段から名刺情報と一緒に情報を整理しておくことが大切である。
取引先情報とやりとりを一元管理することが、スムーズな引き継ぎのカギ
取引先の担当者情報や、これまでの打ち合わせの議事録などをあらかじめ一元管理できていれば、連絡先情報とコミュニケーションの履歴をスムーズに引き継ぐことができる。これらの情報を管理・共有するのに最適な手段として、法人向けの名刺管理サービスが挙げられる。社員が所有する名刺のデータ化をはじめとし、名刺をスキャンするだけで、顧客情報のデータベースを構築することができる。名刺管理の煩わしさをなんとかしたい人はもちろん、名刺情報とコミュニケーション情報をひもづけて引き継ぎ業務をスムーズに行いたい企業におすすめである。
システムを一元化することで共有や引き継ぎもラクになる
名刺管理サービスは、名刺の情報にさまざまな顧客情報を紐付けて管理できる点が大きな特徴。氏名や会社の住所といった顧客の基本情報はもちろんのこと、取引を通して分かった先方の好みや、接点がある同僚の名前、商談の成否など、属人化しやすい情報を一元的にまとめることが可能である。
さらに、普段から全社で顧客情報を共有しておくことで、以下のメリットがある。
さらに、普段から全社で顧客情報を共有しておくことで、以下のメリットがある。
- 紙の名刺の引き継ぎが不要になる
- どの部署に行っても同じインターフェースで顧客情報を管理できる
- 異動後でも、異動前の顧客がどうなったのか把握しやすい
- 社内の人脈を自分のビジネスに活用できる
全社で顧客情報を共有することで、顧客情報の属人化を防ぐだけでなく、さまざまなメリットが得られる点が魅力である。
異動後も組織の活動を止めないために
異動時にスムーズに引き継ぎをするための3ステップや、人脈の引き継ぎ漏れのリスクを最小限に抑える方法を紹介した。昇進や転勤といった人事異動の辞令は、急であることが多い。人事異動があった時でも、組織の活動を止めないために、名刺管理サービスなどを活用することを検討してみてはいかがだろうか。
3分でわかるSansan
Sansanは社内の名刺を一括管理することで、企業の成長を後押しする名刺管理サービス。本資料ではSansan株式会社、そして、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」について簡単に紹介する。