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経営企画 公開日: 2021.04.02

経営課題である「人材不足」を解決するDX

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 新型コロナウイルス感染症の流行により、飲食業や観光業は直接的な影響を受けているが、直接的な影響を受けない業種においては人手不足が加速しつつある。本記事では人手不足への対策や、DXを用いた人手不足の解消について解説する。

【画像】shutterstock

目次

人手不足を感じている企業は緩やかに増加傾向

 帝国データバンクの調査によると、2020年5月に発令された1度目の緊急事態宣言を底として人手不足と感じている企業はゆるやかに増加。2020年10月の調査では特に教育サービス、電気通信、家電・情報機器小売、インフラといった業界で人手不足の割合が前年と比較して著しく上がっている。また、時短営業などの影響を受けた飲食や観光業においても人手不足を感じている企業が2割以上は存在する。さまざまなサービスがオンラインに移行するにあたり、関連する業種では人手不足が顕著であることが伺える。
 この流れは今後も拡大すると思われる。今でこそコロナ不況の真っ直中で、失業者も増えているが、新型コロナウイルスが収束すれば反動で景気の回復局面が訪れるだろう。2020年12月のESPフォーキャスト調査によれば、21年1~3月期から22年1~3月期にかけてはGDPが前期比年率プラス1〜2%程度の穏やかな伸び率であるものの、2023年には新型コロナウイルス流行以前の状態にまで回復すると予測している。
 来るべき回復局面に向けて、人手不足という経営課題を戦略的に扱うことが求められるが、どのように対処すれば良いのだろうか。

人手不足を「人手の確保」で解消することの落とし穴

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 人手不足の対処法として大多数の企業が考えるのは新規に従業員を雇用することであろう。確かにそれも有効な手段であるが、従業員を増やすことで人手不足を補おうとするには以下のような理由で限界がある。
  1. 少子高齢化により、国内の労働市場の供給は不足しており、今後も長期にわたって不足が加速していく。
  2. 新規の従業員を雇うと採用から育成に多大な費用がかかる。
  3. 採用後から育成が完了するまでに時間がかかる。人材育成の制度も見直さなければならない。
 まず1. に関しては、労働力人口が継続して減り続けていて、これからも増える見込みが無いことは周知の事実である。政府は外国人労働者の受け入れを拡大しているが、外国人労働者が本格的に社会システムに組み込まれるまでには時間がかかるだろう。よって、新型コロナウイルス収束後の景気回復局面に備えるためには、短期的に効果のある施策を模索する必要がある。

 2. については、新規の雇用者の採用活動に費用がかかることも問題である。特に人手不足の業界が中途採用によって即戦力を得ようとするとかなりのコストがかかる。新卒採用ならば比較的安いコストで雇えるが、採用時期が限定され、育成するのにさらにコストがかかる。特に新型コロナウイルスの収束後も労働市場は売り手市場のままである可能性もあり、内定の辞退でコストがかさむ恐れもある。

 3. については、採用後から業務に必要なスキルを身につけるまでに時間がかかる。また、OJTを行う際に既存の社員が新入社員のサポートに工数を取られ、生産性が低下する恐れがある。特に多くの企業では新人を育成する時間が取れずに困っている管理職が多いのではないだろうか。新人の育成には教える側のリソースも取られるのである。となれば自ずと新人育成のリソースにも限界が来るため育成のプロセスを考え直す必要がある。

 このように人手不足を新規雇用によって補おうとすると、かなりのコストと時間がかかり、新しく入った社員が育つまでには既存社員の生産性も低下することがあるため、合わせて業務の効率化と生産性の向上のために力を入れるべきである。

人手不足を人的投資以外の手段で解消する

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 人手不足を人的投資以外の手段で解消することも考慮すべきである。人手を増やすのではなく、業務を効率化・自動化するのだ。具体的に生産性を上げる手段の一つとしてはデジタルトランスフォーメーション(DX)が挙げられる。

 DXとは経済産業省によって以下のように定義されている。
 企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
 単なるIT化との違いは「変革」の概念の有無にある。IT化というのは既存の業務プロセスを変えずにITで効率化するようなことも含めるが、DXの場合はそれよりもさらに強い「変革(トランスフォーメーション)」というのが前面に出ているのが特徴である。つまり、DXとはビジネスのさまざまな要素を「変革」することであって、ITはあくまでも手段にすぎないのだ。

 実際にDXを推進した企業の声を聞いてみると、生産性が向上したという声は多い。日経 xTech Activeが行った調査によると、DXを推進している企業1044社のうち45%以上の企業で社員の生産性・業務効率の向上が見られ、30%以上の企業が「運用する要員の削減」といった、人手不足の解消を実感しているとの結果が出た。このような声を聞いてみると、DXによる生産性向上は人手不足を緩和させる手段となり得ると考えられる。

 では、DXの推進はどのように行えばよいのだろうか。DXの推進に必要なステップは以下の五つである。

(1)デジタル化
 ウェブ上のアプリやクラウドサービスなどを導入していくステップである。ただ導入しただけでは生産性の向上はできない。重要なのはデータを取得し、きちんと蓄積していくことである。

(2)効率化
 蓄積したデータを活用し、部門ごとに業務効率化を行う。無駄な業務を無くし、自動化できる部分は自動化する。この段階からある程度の生産性の向上が期待できる。従来のIT化はこのステップまでを行うものであり、現在の日本企業はこの段階が多いのではないだろうか。

(3)共通化
 部門ごとに利用していたデータを他の部門でも活用できるようにする。例えば小売りであればECサイトでのデータを実店舗でも使えるようにし、ユーザーがECサイトで注文した当日に実店舗で商品を受け取れるシステムなどである。

(4)組織化
 部門間で蓄積したデータを基に、効率よく運用できるように組織改革を行う。ここまで蓄積したデータによって業務が可視化されているので、データに基づいた組織戦略が可能となる。

(5)最適化
 蓄積されたデータを基に将来のビジネス環境の変化を予測し、事業全体に変革を起こす。データを根拠にしてより精度の高い事業戦略を決定することを目指す。

 以上がDX推進のステップである。この五つのステップを見るとDXを推進する過程で、データの蓄積による業務の可視化に取り組まなければならないことが分かるだろう。まずどのような業務プロセスになっているのかを把握しなければ変革はできない。データで可視化される領域を徐々に広げることで最終的には事業全体の変革を成すのである。

 DXに着手する際にはまずは(1)のウェブアプリやクラウドサービスの導入から始める必要がある。ただ、このようなITツールの導入に際して多くの経営者が抱く不安は、まずコスト面のこと、そして、社員が使いこなせるかということであろう。

 確かに組織や事業の合理化ができても莫大なコストがかかってしまえば、企業にとってはマイナスである。また、従業員のITリテラシーが低く、ツールを使いこなせなかった場合は、導入したツールが無用の長物と化す。その結果、せっかくコストをかけたのにもかかわらず、成果は出ない。

ハードルが低い、DX推進のはじめの一歩

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 まだDX推進に取り組んでいない企業は、まずITツールを導入して従業員の業務プロセスを変える必要がある。しかしながら、使いにくいツールや分かりにくいツールを導入してしまうと従業員のストレスが溜まり、結局使わなくなってしまうことが考えられる。これを防止するには、実際に使う従業員が生産性の向上を実感できるものであればよい。従業員自身が無駄だと感じていた作業を自動化することで、効率化が可能だ。

 例えば、「名刺管理」も効率化できる業務の一つである。名刺管理ツールを導入することで、名刺情報のデータ化の手間が省けるだけでなく、名刺データの活用が可能となる。法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」は、こうしたDX推進の第一歩に適したツールだ。Sansanを活用すれば、名刺情報の確認やリスト作成などが手軽になることはもちろん、データの統合や正規化、コンプライアンスチェックなど、これまで人力で行っていたさまざまな業務を自動化し、効率化することができる。

ツールの導入を機にDXを推進し、人手不足に備える

 本記事では、人手不足を解消する手段としてDXを用いることについて解説した。2020年4月の緊急事態宣言を底として人手不足を感じている企業は徐々に増加しており、新型コロナウイルスの流行が収束した後は、さらなる人手不足が考えられる。

 しかしながら雇用によってそれを補うにも課題があり、DXの推進による生産性の向上が近道な場合もある。従業員がデータ主体の業務プロセスに慣れていない場合には、まず名刺管理ツールの導入から始めると良い。名刺管理ツールであれば従業員がデータを入力する手間を省き、その分のリソースを他の業務に配分できるようになる。明日から考えられるDXについての詳細は以下の資料をご覧いただきたい。

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