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経営企画 2021.05.14

オープンイノベーションの重要性と「人脈」を活用して最短で成果を出す手法

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 異業種企業と手を組む経営手法であるオープンイノベーション。特に、製品開発時において、他社との連携を考えている企業も少なくない。本記事ではオープンイノベーションの成功に近づくための一手を紹介する。

【画像】Shutterstock

目次

ニーズの変化による、製品のライフサイクルの短縮化

 昨今、製品のライフサイクルは短縮化の一途をたどっている。製品のライフサイクルとは、製品が市場に出回ってから撤退していくまでの導入期・成長期・成熟期・衰退期の四つの段階のことだ。

 製品のライフサイクルが短くなってきている主な理由は二つ。顧客や市場におけるニーズの変化が速いことと、技術革新のスピードが速く製品の技術が陳腐化しやすいことだ。

 日本ではデジタルトランスフォーメーション(DX)が徐々に推進され、至る所でデジタル化が進展している。それに伴い顧客は大量の情報をスピーディーに取得できるのが当然のようになった。情報へのアクセスが容易になると、顧客のニーズが多様化されるとともにその移り変わりも早くなってしまう。

 細分化が進み、激しく変化する顧客のニーズに対応するために企業はさまざまなサービス・製品の開発を進める必要があり、結果として製品ライフサイクルが早まる現象が起きてしまうのだ。

オープンイノベーションによる製品開発が注目されている

【画像】Shutterstock
 製品ライフサイクルが短くなる中で注目されている開発手法が、「オープンイノベーション」だ。自社内で研究・開発を行うためにコストや時間を多く要してしまう「クローズドイノベーション」に対して、短期間で素早く開発するために取り組み始めている企業も多い。顧客や市場のニーズに合わせて製品開発のスピードを加速させるため、さまざまな企業が取り組み始めたオープンイノベーションについて解説しよう。

オープンイノベーションとは

 オープンイノベーションとは、ハーバード大学経営大学院の教授であったヘンリー・チェスブロー氏が、2003年に提唱したイノベーションモデルのことである。オープンイノベーションの一例として、自社以外の異業種と連携し、お互いが持つ知識や技術やデータなどを組み合わせて、革新的な製品やサービスを作り上げるといった取り組みが挙げられる。

 イノベーションとは“革新”や“刷新”といった、良くない現状を取り払い新しく作り変える意味が含まれている。これまで自社で蓄積してきたナレッジをオープンにすることで、全く接点のなかった異業種とつながり、従来にない新しい製品やサービスを生み出すのがオープンイノベーションなのだ。

クローズドイノベーションとの違いは?

 オープンイノベーションの対義語となるのが「クローズドイノベーション」。クローズドイノベーションの例としては、研究や製品開発など全ての工程を自社で一貫して行う活動がある。組織内でアイデアを出し合い、完成した製品を市場に流し、問題点があれば社内で改善に取り組む。

 これまでに苦労して培ってきた技術やノウハウを外部に流出させないよう、自社内で閉鎖的にビジネスを展開していく。特に製品開発時によくある手法といえるだろう。

 しかしクローズドイノベーションのままでは、多大な開発コストや時間を要してしまう。なぜなら人材や知識、技術などには限りがあるからだ。社内の団結力は高まるかもしれないが、視野が狭くなり型破りなアイデアは生まれにくくなるだろう。そして、いずれは変化が激しい顧客や市場のニーズに対応しきれなくなる可能性がある。

 製品を低コストでスピーディーに開発するためには、開放的な考え方であるオープンイノベーションを実践することが重要といえる。

日本における企業の成功事例も

【画像】shutterstock
 まだまだオープンイノベーションの手法が定着していない日本だが、決して消極的なわけではない。数ある企業の中には、自社の経営手法を見直し、積極的に他社との交流を深めている企業も増えてきている。

 今や世界的有数のアパレルブランドへと成長したユニクロは、約18年以上も前からオープンイノベーションに取り組んでいることで脚光を浴びている。同社が強力なパートナーシップを組んだのは、大手化学企業の東レだ。

 アパレル企業のユニクロと、高機能素材の開発を得意とする東レがタッグを組んだことで生まれたのは、あの有名な「エアリズム」「ヒートテック」「ウルトラライトダウン」などだ。オープンイノベーションを図ることで、爆発的なヒット商品を生み出した例といえるだろう。

オープンイノベーションを図る上での課題

 協業が大きな可能性を持つ一方で、自社で守らなければならない“コアコンピタンス”の明確化も重要である。コアコンピタンスとは、他社が絶対に真似できない優れた能力のこと。開放的な考え方を持つオープンイノベーションとはいえ、自社が所有するすべてのナレッジをさらけ出すわけではない。

 秀でた商品を開発する上で、タッグを組む企業に提供しておいたほうが良い情報やデータ、技術はオープンにし、守るべきナレッジは自社にとどめておく。何を提供し、何を守るのかといった線引きを明確にしておくことが必要と言えるだろう。

 また自社他社共にともに、オープンイノベーションを実践できる人材を集めたり組織を構築したりできているのか、社内外でしっかりと連携を図れるのかといった点についても課題が残る。オープンイノベーションに取り組む際には、こうした課題への対策についても検討しておこう。

オープンイノベーションに取り組む三つのメリット

【画像】shutterstock
 オープンイノベーションを図ると、例えば以下三つのメリットが得られる。
  • 短期間かつ低コストでの開発が可能となる
  • 事業推進のスピードがアップすることで、ニーズの変化に対応できる
  • 外部の新たな知識や技術を獲得し、事業拡大につながる
 製品を開発したり改善したりする場合、膨大な資金や時間を投資しなければならない。しかし自社の製品開発に取り入れたい知識や技術をすでに持っている企業とタッグを組めれば、その分のコストを削減できるだろう。

 そうなれば、事業推進のスピードが速まり、短縮化している製品のライフサイクルに対応できるようになる。またオープンイノベーションによって外部の新たな知識や技術を得ることができると、やがて事業拡大や売上向上などの企業利益にもつながってくる。

 このような目的があり、さまざまな企業が推進し始めたオープンイノベーションは、具体的にどのように取り組めばよいのだろうか。

オープンイノベーションを図るには、まずは連携先探しから

 オープンイノベーションに取り組むためには、まずはタッグを組む連携先企業を探すことから始めよう。

 選定基準としては、自社の製品開発にマッチし、かつ信頼できる異業種企業であるかどうかが鍵といえるだろう。ただし、自社だけが得をするのではなく、相手も同時に成長できるような企業を探さなければならない。自社と連携先の双方にとって有益な関係性を構築できる企業を見つけ出すことが重要だ。

 連携先探しには主に二つの方法が挙げられる。一つはオープンイノベーションのためのプラットフォームに登録することだ。オープンイノベーションに取り組みたい企業同士をマッチングさせるためのサイトも存在するため、そこに登録すれば連携先を見つけられるかもしれない。

 もう一つは、連携先を探すために全社の人脈を積極的に活用する方法だ。その際には、誰と誰が繋がっているのか、どういう関係値なのかを可視化できている状態が理想である。

全社の人脈を可視化するITツールとは

【画像】shutterstock
 これまで目に見えていなかった全社の人脈を可視化することで意外な接点が見つかることも多い。

 例えば総務部門ならば、オフィス修繕を請け負う会社やインフラ整備企業などのつながりがあるかもしれない。マーケティング部門なら、メディア関係者やイベント設営企業などと接点を持っている可能性もある。また企業単位ではなくとも、前職や勉強会で知り合った人や、仕事以外での知人などが意外にも強力なパートナーになってくれるケースもあるだろう。

 こうしたさまざまな人脈を可視化しておくことで、予想もしていなかった接点を見つけ出すことができ、連携先の選択肢を広げられるのだ。

 人脈の見える化を実現するためには、名刺管理を適切に行う必要がある。名刺とは人と人との出会いの証であり、人脈そのものといっても過言ではないからだ。名刺をきちんと管理するためにはITツールの活用が有効であり、今回はその中でも法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」を紹介したい。Sansanでは全社の名刺を一括管理するだけではなく、クラウド電話帳として社内外の連絡先もまとめて管理してくれる。

 また、名刺の交換履歴から、いつ誰が社外の人と接点を持ったのかが明確に把握できるようになっている。オープンイノベーションのパートナー探しにおいてはいつ・誰が出会ったかという情報も重要である。

 自社製品の売り上げが落ちてきたためにオープンイノベーションを検討し始めている場合には、こうしたITツールを活用して抜本的に組織改革を進めていく必要があるだろう。下記の無料ダウンロード資料には、イノベーションが起こりやすい風土にするためにはどうすれば良いかも紹介している。ぜひ参考にしてほしい。

オープンイノベーションを図り、製品開発のスピードを飛躍させる

 製品のライフサイクルが短縮化している昨今において、オープンイノベーションを推進していくことは、今後安定的に収益を確保する上で非常に大切な取り組みである。そしてオープンイノベーションの第一歩となるのが、人脈を可視化できるITツールの導入だ。ITツールを活用することで、これまで見えなかった人と人、会社と会社のつながりから新たなビジネスが生まれるのである。

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