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経営企画 公開日: 2021.04.28

中小企業の経営難を解決する、デジタルトランスフォーメーションとは

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 業績が悪化している企業にこそ推進してもらいたいデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)。本記事ではDXの意味や、明日から始められるDXの取り組みなどを解説していく。

【画像】shutterstock

目次

デジタルトランスフォーメーションとは

 DXとは、“ITを世の中に浸透させることで、人々の生活をあらゆる側面でより良い方向に変化させる”概念のことである。似た言葉に“デジタルシフト”があるものの、DXとは定義が異なる。デジタルシフトとは、業務やサービスレベルでのデジタル化であり、DXよりも狭い意味で使われる。

 英語で記すと“Digital Transformation”のためDTと略されることもあるが、一般的にはDXと表記されることが多い。D「X」と表記するのは、TransをXに置き換えたことに由来する。XとはCrossを意味したアルファベットであり、CrossとTransはほぼ同義として用いられることからDXという呼び方になったのである。

 日本では2018年、経済産業省(以下、経産省)が旗振り役となり、企業がDXを推進していくためのガイドラインを発表した。経産省は以下のようにDXを定義している。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
 つまり企業が目指すべきことは、データとデジタル技術を用いて製品やサービスなどを変革するだけではなく、企業文化や風土までをも変化させていき、安定した収益を得られる仕組みを作ることである。

「2025年の崖」に備え、多くの企業で進むデジタルトランスフォーメーション

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 現在、多くの企業でデジタルトランスフォーメーションが推進されている。その理由は“2025年の崖”に備えるためだ。

 経産省では2025年までに、DX化せずレガシーシステム(老朽化・複雑化・ブラックボックス化した既存システム)を継続的に使用していけば、業務効率や競争力の低下は避けられず、年間最大12兆円の経済損失が生じる恐れがあるとしている。

 その要因は、古いシステムやサービスのサポート終了に伴うリスクの増加や、ITナレッジをもった優秀な人材の退職などが挙げられる。レガシーシステムとはDXを妨げる古い技術や仕組みで構築されたシステムであり、生産性が低下したり市場の変化に対応しきれなかったりする点が懸念されているのだ。

 また、古いプログラミング言語によって作られていることが多い。そして旧来の言語が分かるエンジニアの多くが、2025年までに定年を迎えてしまう。そうなれば既存システムについて深く理解している人材が減少し、トラブルが起きたときにも対処できなくなる。

 こうした事態を避けるためにも、DXを推進していく必要があるのだ。

 しかし、国からの通達によってDXに取り組めている企業の多くは大企業である。予算や人員に限りがある中小企業の多くはまだまだ取り組めていないのが現状だ。

遠くの崖より、まずは目の前にある経営課題と向き合う

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 先にも述べたとおり、DXという言葉を知ってはいるものの、取り組んでいない・取り組めていないことを実感している人も多いのではないだろうか。DXを何となく意識していても、今、目の前に立ちはだかる経営課題である“業績低下”と向き合うことを優先している企業も少なくない。

 例えば、まずは売り上げの回復に努めなければいけないため、営業部門では新規顧客の開拓、既存顧客への販売促進などを行い、マーケティング部門では新規リードの獲得やDMやメールを活用した既存顧客の育成を優先して行うことが多い。

 また、コスト削減に取り組むケースも多い。具体的には、人力で行い、多くの労働時間を割いていた通常業務を自動化して効率化したり、業務の分業によって社員の生産性向上を図ったりする。

 このような中小企業が向き合っている問題を解決する鍵となるのが、実はDXの推進なのである。

DXは、中小企業の経営課題を解決する一手となる

 DXに取り組むことで業務効率化や社員の生産性向上を実現し、コスト削減へとつながる。また、正確なデータに基づいた営業戦略の立案ができるようになり、売上回復につながる可能性が高い。

 例として挙げられるのが、顧客データを一元化することによる営業力の向上である。これまで社内の各営業担当者が握っていた膨大な顧客データは、DXの推進によって一元化することができる。整理された詳細なデータを活用すれば、見込み客が必要としている提案内容の仮説が立てやすくなる上に、マーケティングなど部門をまたいでデータの共有が可能になって正確な営業戦略の立案もできるようになる。従来よりも正確なデータを根拠にすることで提案力や戦略の精度も上がり、商談の成約率も高くなるのだ。

 この“正確なデータに基づく営業戦略の立案”は、人間の手だけでデータ処理をしていてはなかなか難しい。例えば、営業担当者がそれぞれに集めてきた名刺で考えてみよう。それらの名刺は人の手では管理しきれないほど膨大な量となっているはずだ。

 ファイリングなどで管理したとしても、取引先の担当者が変わってしまえばその名刺はただの紙となってしまう。ビジネスにおいて、日々変化するデータは常に最新で正確に管理されていなければ、効果的な営業戦略は見いだせないだろう。

 DXに取り組み、業務を効率化したり社員の生産性が向上したりすればコストを削減できるだけでなく、データに基づく営業戦略の立案も可能になる。そしてこれは、売上向上にも大きな効果をもたらす。中小企業が抱えている経営課題は、意外にもDXを進めることで一歩ずつ解決に近づくのだ。

明日から始められるデジタルトランスフォーメーション

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 企業においてDXを推し進める場合、一見、取り組むにはコストがかかったり、専門的なノウハウが必要に思えたりするが、実はそこまで難しいことではない。

 ただし、経営層はDXについて理解しておく必要がある。企業は基本的にトップダウンによって業務を円滑に遂行していく。命令を出さなければならない経営層がDXについて深い知識を持ち合わせていなければ、指示も曖昧となり社員の混乱を招いてしまうだろう。

 また、自社の課題が何なのか、明確な問題点をあぶり出しておく必要もある。自社が抱えている課題を解決するためにシステムを導入するのだから、問題の本質を理解しておかなければならない。

 もしも営業戦略や業績低下などに悩んでいる場合には、DXを推進することで改善に取り組んでみてはいかがだろうか。下記の無料ダウンロード資料では、DXを進めるための簡単な方法を記載しているので、ぜひチェックしてほしい。
 本記事では、ここ数年で多くの企業が取り組み始めたデジタルトランスフォーメーションについて解説した。経産省が提唱する“2025年の崖”に備えて、早めに推進していくのが大切だといえるだろう。難しく感じるDXだが、一つひとつのステップをしっかりと登っていくことで、着実に推進していける。まずは、身近な顧客データ管理を徹底することから始めてみてはいかがだろうか。

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