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人事 更新日:  公開日: 2021.02.19

中途採用とは? 新卒採用との違いとメリット・デメリット比較

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 競争力を高めるために中途採用を実施しているものの、欲しい人材を思うように確保できないという声も多い。本記事では、中途採用と新卒採用との違いからメリット・デメリット、成功させるためのポイントを解説する。

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目次

増加する企業の中途採用

 企業が中途採用を行う理由はさまざまである。退職者数に対して、新卒採用だけでは人員が不十分だった場合の欠員補充や、自社に不足している知識や技術、ノウハウを取り入れるための人材獲得など、企業が抱える課題解決を目的としている場合が多い。

 近年、中途採用が拡大する理由は他にも、労働者の意識変化が挙げられる。自身のキャリアプランの実現やワークライフバランスの追求に向けて新たな職場を求める労働者が増えており、転職に対するハードルも下がっている。そのため、中途採用では優秀な人材をより獲得できるチャンスが増えている。

 一方、企業側が抱える「人手不足」といった課題も中途採用が増えている理由として挙げられる。マイナビが発表した『中途採用実態調査(2020年)』によれば、調査対象1910社のうち48.5%の企業が人手不足で悩んでいるという回答が集まっていた。

 さらに、最近ではデジタルトランスフォーメーションやさまざまな分野のサービスをクラウド上で提供する「XaaS」の動きが加速化し、産業構造が目まぐるしく変化している。新たなサービスの市場や、プレーヤーが登場する中で企業も異業種の人材を獲得し、産業構造の変化に対応できる組織作りを目指している。
中途採用とは
 企業の採用形態には新卒採用と中途採用の2種類がある。そのうち中途採用とは、企業が自社の状況に照らして、欲しいと思う人材を必要な時期に募集する採用形態だ。中途採用は過去に就業経験のある人が対象者となり、即戦力となる経験豊富な人材から学校卒業後に就職して間もない“第二新卒者”までと幅広い。自社に不足している知識・ノウハウを補填したり転職者が出て空いたポストの欠員補充をしたりと、採用する目的が新卒採用よりも明確になっているのが特徴である。そのため、募集者のポテンシャルを重視した新卒採用とは違い即戦力となる人材が求められるケースが多く、これまでの経験やスキルなどが選考基準となる。

中途採用と新卒採用のメリットとデメリット

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 ここまで、中途採用と新卒採用の採用形態の違いや、中途採用の現状について説明した。次に、それぞれのメリットとデメリットについて見ていく。
まず、中途採用のメリットは主に以下の四つが考えられる。

中途採用を行うメリット

1.即戦力となる人材を確保できる

 中途採用は過去に就業経験のある人を募集対象としている。募集の際は必要なスキルや経験年数などの条件をあらかじめ設定しているため、その選考基準を満たした人材を応募者の中から確保することができる。入社後すぐに現場で活躍してくれる見込みがある。

2.不足した知識・技術を導入できる

 新たな事業領域への進出などを試みる場合、その領域に対する知見を得る必要がある。自社にないリソースを獲得するにあたってその領域で経験を積んだ人材を中途採用で確保すれば、知見を得るための時間やコストを大幅に削減することができる。
 また、中途採用で採った人材はこれまで働いていた企業の価値観などを持っている。そのため、自社にはなかった仕事のスタイルや物事の視点をもたらして組織を活性化してくれるといったメリットも考えられる。

3.研修にかかる時間や費用の削減できる

 新卒採用の場合、社員に対して研修を行う企業が多いだろう。研修には多くの時間と費用がかかる。
 
 一方で中途採用は新卒採用とは違い、新入社員が受ける研修内容の一部をすでに身につけていることが期待できるため、それらのコストを削減できる。

4.入社時期の調整が可能である

 企業にとって必要な時期に人材を募集する中途採用では、事業の計画に沿って柔軟に採用のタイミングを決定することができる。

 入社日については内定者との話し合いによって決まり、内定してすぐの時期から数カ月後まで調整可能である。

中途採用を行うデメリット

 即戦力として迎えたりコストを削減したりできる一方で、デメリットもある。

1.一度に多くの人材を集めることが難しい

 企業が中途採用できるかどうかは、転職者の状況に依存する。企業側が募集する条件にうまくヒットする転職者が現れるかどうかは分からず、転職者数も景気などの要因に左右される。そのため、募集タイミングに合わせて必要な人数を確保することは難しい。

2.能力等が一様に揃った人材を採用するのが難しい

 中途採用市場には、さまざまなバックグラウンドを持つ転職者がいる。たとえ企業側が一定の選考基準を提示して募集したとしても採用する人材の年齢や経験、意欲の幅はバラバラであるため、ピンポイントで似たような人材を確保することは難しい。

3.自社文化への適応に時間がかかる

 転職者によっては、前職の企業文化が強く根付いている人もいる。その場合転職先の社風や業務の進め方に順応するのに時間を要する場合もある。

新卒採用を行うメリット

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 中途採用と違い、新卒採用ではどのようなメリット・デメリットがあるだろうか。まずは主な三つのメリットから見ていく。

1.組織に刺激を与え活性化することができる

 中途採用者もそれまでの知識や経験を活かして組織に刺激を与えてくれるが、フレッシュな新卒採用者のより柔軟な姿勢は、社内の雰囲気や人間関係に刺激を与えてくれることが期待できる。また、新卒採用はポテンシャルが選考基準なので、研修やOJTなどを通して長く育成する必要がある。そのため受け入れ体制の整備を通して、社内で暗黙知化されていたノウハウの形式知化や業務フローの整備が進むという利点もある。

2.若手を集めることで持続的な企業経営ができる

 企業経営を長く続けるためには若い人材を多く採用することが求められる。スキル重視の即戦力人材を取り入れる中途採用に偏るとベテラン層が厚くなってしまい、会社の将来を支える若手人材が不足して会社の存続が危ぶまれてしまう。新卒採用を定期的に行うことで、将来を見据えた人材を確保することも重要である。

3.採用に関わるコストを削減できる

 新卒採用は、採用・入社・研修の時期があらかじめ決められているのが特徴である。そのため、一括して多くの新入社員を同時に教育できるなど、企業側の手間やコストを削減できるメリットが考えられるだろう。

新卒採用を行うデメリット

 また、新卒採用のデメリットとしては主に下記の三つが挙げられる。

1.採用フローが長い

 中途採用とは違い、新卒採用ではセミナーやインターンなど採用に伴う多くのイベントが発生する。1学年の採用活動には研修も含めてトータルで1年以上かかってしまうのが実情である。

 最近は通年採用を設けている企業もあり、採用活動にかける時間はいっそう増しているといえる。

2.会社に利益をもたらすまでに時間がかかる

 新卒社員の場合、まずは社会人として基本的なマナーや仕事にまつわる知識などを研修で教える必要がある。基本事項を学習し、実践を重ねて身に付けていくことで会社に利益をもたらせる人材となる。そのため、中途採用の人材と比べて活躍できるまでに時間がかかることが多い。

3.ミスマッチによる人材流出のリスクがある

 初めての就業経験であるため、入社前に予想していた仕事とギャップを抱く新卒社員は少なくない。中途採用に比べて入社後のミスマッチが起きる可能性があり、早期退職による人材の流出やそれまでにかけたコストのリターンを得られないリスクがある。

中途採用とキャリア採用の違い

 また、中途採用とキャリア採用の違いについても見ておこう。似ている表現のため混同しやすいが、明確には定義が異なるのでぜひ把握しておいてほしい。

 中途採用とは、先述した通り新卒採用の対となる企業の採用形態のことだ。募集対象はまだ社会人経験の浅い第二新卒者から即戦力として活躍が期待される人材まで幅広いため、挑戦したい分野に関して未経験であっても採用される可能性がある。

 一方、キャリア採用とは、募集対象を“即戦力であり、実績を積み重ねている人材”に絞った採用形態のことである。そのため、募集要項には「法人営業を3年以上経験している」といった求められる経験・資格が具体的に記載されており、条件を満たしていないと選考を突破するのは比較的難しいだろう。

 しかし、自身の培ってきた経験や専門性がダイレクトに活きる職種につけることが多く、転職者にとって思い通りにキャリアを伸ばしていける点がメリットだ。また、企業側にとってもよりピンポイントで足りない人材を補填できたり自社にないノウハウを吸収できたりする。

 つまり、キャリア採用とは中途採用の一部に含まれ、より専門性や業務経験が求められる採用形態として定義される。

中途採用の流れ

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 次に、中途採用の流れについて説明する。中途採用は大きく分けて「採用フローを計画する」「採用したい母集団を決める」「応募者を選考する」「入社前のサポートを行う」といった四つのステップがある。それぞれのステップについて詳しく見ていく。

1.採用フローを計画する

 「採用フローを計画する」ステップは、さらに六つのポイントに分けられる。

 まずは、採用フローを計画するにあたっての目標設定だ。募集に至った背景や具体的な職種を考慮しながら、何を達成すれば中途採用が成功だと言えるのか、指標となる数字を置くことでゴールを明確にする。目標数値の設定は、過去の応募人数や面接回数などを参考にするのも一つの方法である。

 次に、採用したい人物像を明確にする。そのためには、スキルセットとカルチャーフィットという二つのポイントから選考基準を設定することが必要だ。スキルセットとは、スキルや経験といった項目である。選考基準を設定する際、その条件が“必須”であるのか“歓迎”であるのかをしっかりと分けて考えることが重要だ。募集背景を理解したうえで現場のニーズを調べ、求められる条件が上記二つのどちらに分類されるか検討する。また、現場のニーズだけでなく他社の採用条件や転職市場の状況も調べた上で、反映させることが望ましい。

 一方、会社の社風にどれだけマッチするかのカルチャーフィットも重要である。転職者が入社したとき、十分に能力を発揮しながら会社にも定着してくれるために軽視できない観点だ。会社のカルチャーについては明確に定義しづらい部分があるものの、しっかりと言語化して選考基準として提示することが求められる。

 また、設定した選考基準を確認することも大切なプロセスだ。スキルなどの定量的な指標だけでなく、“価値観”や“行動特性”といった定性的な側面もそれぞれの面接官が明確に評価できるような基準になっているか見直す必要がある。

 選考基準について見直した後、どのように選考を進めていくかを確認する。書類選考後は能力検査を行うのか、面接は何回実施するのか、さらにはそれぞれのステップで応募者の何を評価するのかなどをチェックする必要がある。他社に応募者が流れないためにも、選考ステップはなるべく短期間に設定することがポイントだ。

 最後は募集ルートの決定だ。ハローワークや求人媒体など採用手法はさまざまである。採用基準を満たす応募者を効率的に集めるためにはどのような募集手段が良いか、選考基準と採用手法の特徴を照らし合わせながら選ぶ必要がある。

2.採用したい母集団を決める

 一つ目のステップが完了したら、次に採用したい母集団を決める。

 母集団を決めるために、まずは求人票を作る。欲しい人材を採用するためには求人票が重要であり、いかにターゲットに訴求したい情報を掲載できるかがカギになる。採用要件とともに会社の雰囲気や強み、仕事の魅力などを盛り込んで、採用ターゲットに興味を持ってもらえるような求人票の作成を心掛ける。

 求人を出した後は応募数や面接設定数などがどのように変化しているかを追いかけ、求人原稿を見直すなど工夫をすること。応募が集まらないようであれば採用手法を変えたり新しく加えたりして、採用ターゲットから多くの募集が来るように試行錯誤する必要がある。

3.応募者を選考する

 求人を出してエントリーがあれば、面接を実施して応募者を選考する。選考は採用したい人材を選ぶためだけでなく、応募者の入社意欲を高める目的もある。応募者は複数の企業に対して同時にエントリーしていることが多いため、競合の中から自社を選んでもらうためにこちらから魅力を伝える必要があるだろう。

 自社をアピールする際は“企業の顔としての面接官の振る舞い”、“働く姿をイメージさせるための具体的な業務説明”、“面接後のフィードバックや応募者への期待”といった三点を特に注意して行う。

4.入社前のサポートを行う

 選考が進んで内定が決まった応募者に対しては内定の報告連絡を行い、内定通知書も送付する。この段階で、年収といった採用条件を内定者との間で話し合うケースが多い。

 内定者が入社を決めたら入社手続きを進めていく。内定者が在職中の場合は引き継ぎなどによって転職まで数週間から数カ月かかることもある。その間に内定者に対して適宜退職手続きの進捗を確認したり入社前に必要な書類を連絡したりすること。

選考基準の設定のコツ

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 中途採用の流れの中でも触れた通り、さまざまな面接官が選考を通して応募者を明確に評価するための選考基準が必要である。選考基準は主に四つのポイントがあり、データや事実など“客観的なもの”およびコミュニケーションを通して感じられる“主観的・抽象的なもの”といった二つの軸を参考にしながら評価する必要がある。それらを踏まえ、選考基準を設定するコツについて詳しく紹介する。

業務を遂行する能力は十分か

 一つ目のポイントが“仕事を進める能力”である。その能力を客観的に判断するためには、職務経歴に記載された内容について実績など事実ベースで応募者を分析する。また、その応募者に担当してほしい仕事で求められる知識や経験などをリストアップする必要がある。

 また、上記を判断するベースとしてあらかじめ現場社員から必要となるスキルなどをヒアリングしておくことが大切だ。スキルだけでなくどのような人柄や行動特性を持つ人物が望ましいかも、社内で働く優秀な人材を基準に作成しておく。そのような判断基準が準備できたら優先順位を決め、応募者を比較しやすい評価システムにする。

雇用条件や待遇にマッチするか

 二つ目のポイントは雇用する際の条件や待遇にどれだけマッチするかという観点である。給与のほか労働時間や休暇、転勤といった客観的な指標をもとに、人事担当が内定者との対話を通して決定すること。

カルチャーにフィットするか

 三つ目は、会社の組織風土に対する順応性である。組織風土については主観的な判断となるものの、応募者が所属しうる部署の現場社員や上司を担当しうる者がきちんと見極める必要がある。見るべきポイントとしては業務を進めていくために不可欠な忍耐力や責任感、チームで仕事をする上で求められる協調性など、さまざまな定性的観点を考慮して設定すること。

一緒に働きたい人柄であるか

 四つ目は、応募者の人柄である。今後一緒に働くにあたって信頼できる人材であるかを、誠実さや話の受け答え、協調性といった抽象的な項目も面接官がきちんと見定めることが求められる。

中途採用の募集手段

 次は、中途採用の募集手段について説明する。選考基準を満たす応募者を効率よく集めるにはどのような募集手段を選ぶかが重要であり、ここでは主に五つの募集手段を紹介する。

1.求人媒体

 求人媒体とは、複数企業の求人情報を総合して扱う媒体で、紙とウェブの2パターンがある。ウェブの求人媒体には、総合型と特化型の2種類がある。

 総合型のウェブ求人媒体とは、業種や職種に関して幅広い求人情報が載っているサイトのこと。求人同様、ユーザー側もさまざまな業種や職種の人がおり、多くの転職希望者に対してアプローチすることができる。

 一方、特化型のウェブ求人媒体は業種や職種などを限定した求人を主に扱っているサイトの事を指す。総合型のウェブ求人媒体と違いユーザー数は比較的少ないものの、そのサイトで扱う業種や職種に興味を持っている人が訪れるので採用につながりやすい。

 近年一般的な募集手段となっているウェブの求人媒体は登録する人も多く、求人が目に止まりやすいのがメリットだ。また、サイト内のメール機能を通じてユーザーに直接求人を紹介することもできる。

 その反面、掲載数が多いサイトだと求人情報が埋もれてしまうデメリットもある。また、掲載のために料金を払っていても採用につながらない事態も起こりうる。

2.人材紹介

 人材紹介とは、人材紹介会社を通じて転職希望者を募集する手段である。人材紹介会社は企業から欲しい人材の要件を受け取り、その希望条件に適する人を登録者の中から探してマッチングさせる。

 人材紹介はマッチングを利用するため、要件にあったスキルを持つ優秀な人材に巡り合える確率も高い。また、採用した人の年収に応じて費用が発生するシステムが多いため継続的なコストがかかりにくい。

 一方、採用につながった場合にかかる費用は比較的高く、人材紹介会社に採用を依頼するため採用に関するナレッジを自社内に積み重ねることが難しい。

3.転職フェア

 転職フェアとは転職希望者に向けて開かれた企業の合同説明会で、転職希望者と直接コミュニケーションを取ったり、場合によっては面談や面接ができたりする。自社以外の企業に興味を持っている人にもアプローチができる。

 しかし、イベントへの参加・ブース運営は時間や労力がかかる上、自社以外に興味を持つ人に対してどのようにアピールしていくかの工夫が求められる。

4.ハローワーク

 ハローワークとは、公的機関が運営する募集手段のこと。掲載に費用がかからず、各都道府県にあるので地域に特化した採用活動ができる。

 デメリットとしては、求人の作成や選考を全て自社にて行わなければならず、掲載や選考など各段階での手続きに時間や労力がかかってしまう点がある。また、求めるスキルや経験を持ち合わせた人材が集まりにくいのも特徴だ。

5.ダイレクトリクルーティング

 ダイレクトリクルーティングとは、企業側から転職希望者にアプローチする募集手段のこと。ダイレクトリクルーティング向けのサイトや社員の人脈などを通して欲しい人材にコンタクトを取るため、求人募集の手間なく採用活動を行うことができる。

 一方、スカウトメールは相手の目に止まるような工夫が必要で、ある程度のノウハウが求められる。どのような相手にコンタクトを取るべきか決める工程にも時間がかかるのがデメリットだ。

中途採用を成功させるポイント

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 中途採用に実際に取り組んでも「優秀な人材を確保できない」「人材が育つ前に辞めてしまう」といった悩みを抱える企業もあるだろう。採用から人材育成には時間や労力、お金といった資源が必要なためぜひとも成功に結び付けたいところ。ここでは、中途採用を成功させるために重要なポイントを三つに絞って簡単に説明していく。

1.母集団を適切に形成する

 採用活動において “母集団形成”が成功のための一つのポイントである。求人を出しても応募者からのエントリーがない、そもそも母集団形成が適切に行われているのか分からないなどの課題を抱える企業も少なくない。そのような母集団形成の課題に対する施策としては以下の三つが考えられる。

 一つ目は、採用市場へのアプローチを改善することだ。母集団形成において大切なのは、単に応募者数を増やすだけでなくいかに応募者と適切にマッチングするかにある。そのため、常に市場がどのように動いているかを観察し、その変化に沿った新しい採用手法を理解し実行していくことが必要だ。人材に対するアプローチの仕方を見直すことで、母集団をよりうまく形成できるといえるだろう。
 
 二つ目は、求人広告の出稿先を見直すことだ。求人を出しても応募が来ないといった場合には、今の出稿先が自社の求人情報に照らして最適かどうかを考えるべきである。最近は求人媒体も細分化されてきているため、欲しい人材ターゲットがどの求人媒体に登録していることが多いかを分析した上で出稿先を吟味する必要がある。

 三つ目は、採用ブランディングの強化だ。採用ブランディングとは、採用活動において自社をいかにブランド化できるかのことである。多くの転職希望者から入社したいと思ってもらうためには、既存社員の声や自社の人事制度などを企業サイトやオウンドメディア、SNS運用などを通して自社の魅力として転職希望者に発信することが重要である。

2.早期離職を防ぐ

 中途採用で人材を獲得したとしても、すぐに流出してしまっては企業にとって痛手となる。社員の早期離職は人手不足だけでなく、これまでその社員に投資した教育や採用コストなどのリターンが十分に得られない、もしくは回収できないといった状況に陥ることも考えられる。企業経営を支える人材を中長期的に育成するためには早期離職をいかに防ぐかが重要となるが、それは採用手法の変更で改善できることもある。

 早期離職を防ぐ採用手法として、一つには「リファラル採用」に取り組むことが挙げられる。
リファラル採用とは
 社員が持つ人脈を通じて人材を紹介してもらう採用手法のことである。労働力人口が減少している現在の採用市場において、一人ひとりに採用活動をじっくり行うことがミスマッチを防ぐことにつながるだろう。
 また、入社後もその人材を引っ張ってきた社員が会社にいることで、会社に対する高いエンゲージメントも期待できる。
 リファラル採用の他に、紹介予定派遣を導入することも有効だ。
紹介予定派遣とは
 派遣契約終了後に正社員になることを前提に一定期間派遣社員として働いてもらう採用手法である。実際に働きながら社風や業務内容を体感してもらうことでミスマッチを防ぎ、正社員に登用した後も自社に定着してくれることが期待される。

3.新たな施策を実行する

 採用活動に課題を感じて新たな施策を打ってみたものの、実行後には想定していなかったさらなる問題に悩まされていることもあるだろう。さらに、結局その問題を解決できる手段が見つからず、新しい施策が形骸化してしまったケースはないだろうか。新しい施策を実行するためには、導入後の問題も対処できるよう社内環境を整備しておく必要がある。
 さっそく、二つの採用手法を導入した場合の具体策について見ていこう。

ダイレクト採用と採用代行サービスを併用する場合

 ダイレクト採用とは、欲しい人材を企業自らが探し、直接コンタクトを取る採用手法だ。しかし、企業の求める人材に適う人を獲得できるメリットがある一方で、 導入後にはコンタクトを取った人への返信や面談の日程調整などの工数が増えてしまうデメリットがある。そこで活用するのが採用代行サービスである。採用業務を外注できるサービスを活用すれば負担を抑えつつ効果的な採用施策を継続することができるだろう

リファラル採用を導入する場合

 リファラル採用の成功確率を上げるためには、社内環境の整備が欠かせない。リファラル採用は早期離職を防ぐのに有効でありながら、社員による人材の紹介数をうまく伸ばせないと困ってはいないだろうか。この場合には主に“採用要件が複雑で社内に行き渡っていない”、“採用活動に加わるハードルの高さ”、“会食に対するハードルの高さ”などが課題として挙げられる。それぞれに対して会社側が負担軽減の対策を打ち、社員が積極的にリファラル採用に貢献してくれるよう働きかけることが求められる。
 具体的な施策などの詳細は下記の資料を参考することをおすすめする。

採用精度を上げるためにできること

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 採用活動を通してターゲットとする人材を獲得する精度を上げるためには、個別の候補者に対して効率よく、効果的にコンタクトを取ることが重要だ。企業の求める優秀な人材を獲得すべく採用手法は多様化しており、ダイレクトリクルーティングのように企業側から積極的に候補者へアプローチする“攻めの採用”が増えている。

 他にも「データベースリクルーティング」といった手法も注目されている。過去の退職者や社員の紹介で見つけた候補者、内定辞退者などをデータとして蓄えてタレントプールとして保持しておき、定期的にアプローチしていく。採用タイミングにその都度合わせて候補者へアプローチよりもコストを削減できるだけでなく、転職潜在層にアプローチできる点も含めて、注目を集めている。

 一方、採用手法が多様化することで採用担当者の負担も増えているのが実情である。攻めの採用によって候補者に個別でアプローチすることが増え、候補者それぞれの選考の進捗具合を同時に管理しなければならなくなった。さらに、選考のための面接も候補者ごとに調整が必要であり、その面接を担当する社員の手配も行わなければならない。採用活動の管理が複雑かつ膨大になったことにより、内定を出すまで時間を要し、採用判断が曖昧になってしまうといった課題が生じている。そのような負担を取り除いて課題を解決するために、最近では“採用管理システム”を導入する企業が増えている。
採用管理システムとは
 選考の進捗だけでなく、各選考で進んだ応募者の割合や、そもそもどれだけ応募者からエントリーがあったのかなどを可視化できるツール。このツールを用いて採用活動を一元的かつ自動的に管理することで業務負担やミスを減らすことができる。
 また、採用管理システムによってスピーディーな選考も実現することができ、応募者に対する心象も良くすることができるだろう。

中途採用がうまくいかない場合の対策方法

 中途採用を実施しているもののうまくいっていないと悩む企業も多い。リクルートワークス研究所が発表した『中途採用実態調査 2019年度上半期実績、2020年度見通し 正規社員」によれば、中途採用を通して人材を「確保できなかった」と答えた企業は約50%となった。採用難となっている企業はどのように対策していけばいいかを、今回の調査データをもとに5つのポイントに整理して説明する。

1.非正規社員の雇用条件を見直す

 正社員以外にアルバイトや契約社員を雇用して人員不足を補っている企業も多いだろう。人員が確保できない場合は、非正規社員の雇用条件を見直すのも一つの方法である。調査によれば「非正規社員の無期化や正社員転換」に取り組んでいると答えたのは1000人以上の従業員数を抱える企業で6割以上、1000人未満の企業でも約5割という結果となっている。

2.外部人材の活用

 また、新たに派遣社員を活用したり外部の人材に業務を依頼したりするのも一つの手である。実際「派遣や業務委託など外部人材の活用」を行っている企業は5割以上存在する。中途採用でかかるコストなどと天秤にかけて、自社ではカバーしきれない仕事を外部の人材に任せてみてはどうだろうか。

3.業務効率化ツールの導入

 ITツールを活用することで、現在、人力で行っている業務の効率化が可能であり、業務を効率化することで、人材不足を補えるのだ。企業が実施した人材不足の対応策の中でも「IT化や機械化による業務の効率化」が前年比較で一番伸びており、「今後検討したい」と回答した企業の割合も最も多かった。まだ導入が進んでいない企業は、ぜひ検討してみてほしい。

中途採用の成果を最大化させるために

 本記事では、中途採用の定義からメリット・デメリット、成功させるポイントなどを述べてきた。人材不足かつ多様化していくビジネスにおいて、企業の成長に欠かせないのは人材の獲得であり、中途採用がそのカギとなることが理解できたのではないだろうか。優秀な人員を確保するためにも今回説明したポイントを踏まえ、採用業務を効率化するツールをうまく活用しながら取り組んでみてはいかがだろうか。

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