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人事 2021.02.01

労働時間を適正化する、労務管理のDX化

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多くの企業で長時間労働の削減に向けた取り組みが行われているが、実態としては社員の負担となってしまうケースも少なくない。本記事では、業務量を最適化する上で押さえるべきポイントを解説する。

目次

形骸化する長時間労働に対する社内制度

 近年、働き方改革が推進されており、労働環境を改善する多くの取り組みが行われている。その中の一つが長時間労働の是正である。2019年4月に施行された改正労働基準法では、長時間労働に関する主な改正点として、月45時間・年360時間を超える残業が罰則付きで禁止されるようになった。また、特別な理由で臨時的に超える場合でも、月100時間未満・年720時間以内かつ2〜6カ月平均80時間と、制限が設けられるようになった。

 これらが法律として厳格に定められたことによって、上記ルールに違反した企業には、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金といった罰則が科される。また、厚生労働省は企業に対して是正指導を行うだけでなく、「是正指導段階での企業名公表制度を強化」を「長時間労働削減に向けた取組」の中で掲出。企業にとって労務管理はますます重要なテーマとなっている。

長時間労働の是正を目的とした取り組みが思うように進まないことも

 長時間労働に対する法改正を受けて、企業側でも以下を代表とした多くの取り組みが行われている。
  • 22時以降の退社厳守、PCシャットダウン
  • ノー残業デーの設置
  • 休日の出勤禁止
  • 残業の事前申請制
  • 日報&タイムカードの提出
  • フレックスタイム制度
 しかし、これらの取り組みは“労働時間の制限”のみにスポットライトが当てられてしまった一方、業務量や生産性は変わらないため、業務の持ち帰りや隠れ残業が発生するケースも多い。これでは、長時間労働を是正する抜本的な改革になっておらず、働き方に対する社員の不満がたまってしまう。

 過去にSansanがオフィスワーカー男女1035人を対象に行ったアンケートによると、勤務先で働き方改革を実施していると答えた人のうち、実施している取り組み内容について最も回答の割合が多かったのが「残業時間の引き下げ」で67.7%。次いで多かったのが「業務時間管理の強化」で60.7%となっており、業務改善や制度の整備よりも、労働時間ばかりに焦点が当たってしまっている実態が伺える。

 また、同調査では先の質問に続く「働き方改革の施策によって、業務に支障が出ていると思いますか」という質問に対して、42.9%が「支障あり」と回答。業務に支障が出ている内容として最も多かった回答が「帰宅後のサービス残業が増えた」で45.8%という結果だった。こちらについても労働時間の調整の結果、社員にしわ寄せがいってしまっている実態が伺える。

働き方改革を進めるには現場の業務に沿った取り組みが必要

 では、企業としては働き方改革にどのように取り組むべきだろうか。ただやみくもに労働時間を削減するだけでは、従来通りの業務量が労働時間からあふれた結果、社員にしわ寄せがいってしまうため、業務プロセス自体の見直しや抜本的な業務改善が必要となる。

 情報共有やスケジュール管理、各種申請など、今ある業務のプロセスを見直していくことで業務自体の効率化を目指し、組織の生産性を向上させることが重要だ。業務の改善について、押さえておくべきポイントは大きく分けて以下の二つである。

個々の業務に合わせた業務の改善

 現場で行われている業務に合わせた改革をしないことには、解決へはつながらない。実際に現場ではどんな業務にどれほどの時間がかかっているかをまずは把握し、改善できる箇所を特定すべきである。例えば、送付先リストの作成や、名刺情報の入力など、社員の手間となっている作業がさまざまにあるので、一つひとつ洗い出していくことが重要だ。

 また、全社的に共通した業務ももちろんあるが、長時間労働の原因となる業務は部署によっても異なるため、しっかりと部署ごとに合わせた対策を講じるべきである。

業務のDX推進が鍵

 現場の業務の工数などを把握した後は、それをどのように改善するかが重要だ。

 そのような状況で活用したいのが、業務を効率化するITツールである。情報共有・コミュニケーションやスケジュールの管理に加えて各種申請のシステム化など、従来手間がかかっていた業務をデジタル化することで、組織全体の生産性を向上させている企業も少なくない。

 このようにITツールを導入することから始まる、既存のビジネスモデルに変革をもたらすデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが、既存の業務フローを刷新し、現場の生産性の向上につながる鍵となる。また、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が推奨されている中、業務のデジタル化はオフィスへの出社を減らしテレワークを推進する効果も期待できる。
DXとは
経済産業省の「DX 推進ガイドライン」によると、デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されている。IT化と大きく異なる点は、局所的に業務効率化するだけでなく、業務フローやビジネスモデルそのものを変革し、競争優位性を確保することにある。

 経済産業省は、「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」で「2025年の崖」という仮説を提唱。2025年はIT中核人材の引退、レガシーシステムのサポート終了などが重なるといわれている。この時期までにDX推進がされなければ、最大で12兆円の経済損失が生じると予測しているのだ。

 2019年にSansanが実施した調査では、「DXに取り組み中」と回答した企業は58%、「将来的に取り組む予定」と回答した企業は20%と、DXに対しおおむね前向きな企業が多いことが分かっている。また、企業規模で見ると、「DXに取り組み中」と回答した割合は大企業で70%、中小企業で51%と、大手企業が20%多い結果となった。​企業でDXを推進するために、まずはITツールの導入から始めることをおすすめする。

各部署の業務実態や現場課題を把握し、最適なITツールを導入する

 先に述べたように、ITツールを導入する際は、各部署や現場の業務の実態に適したITツールを導入することが重要である。部署ごとに合わせた対策を講じ、課題を解決するためのITツールを導入することが、組織全体のDXを実現する鍵となる。例えば、各部署では下記のような業務の課題が挙げられる。

営業

 部門間で顧客情報や案件情報の管理・共有がスムーズにできていないケースが例として挙げられる。担当者個人がExcelなどで管理している場合、業務が属人化するリスクがあるだけでなく、社員同士で最新の情報や有益な情報が共有されないことも考えられる。その結果、提案準備に多くの時間を要したり、アプローチ先がバッティングしたり、すでに他営業部と取引があったりといったケースが発生する。これらのことは、顧客からの不信感にもつながるため、情報の管理・共有はきちんとしておく必要がある。

総務

 年賀状などの送付物を送る際には、送り忘れや重複を避けるためにも、全社の顧客・取引先の企業名や所属部署、役職などの情報に誤りが無いか、最新であるか、の確認が必要だ。しかしながら、企業の住所や顧客の現在の役職が合っているかを一つひとつ調べるのには、かなりの手間とコストが発生するため、社員にとって負担となる。

広報

 プレスリリースを配信する際には、過去に各記者とどんなやり取りをしたか分からない、また社内の誰が取材対象として適しているか分からない、といった課題が挙げられる。また、聞こうと思っても、誰が知っているか分からないため、たらい回しにされ、多くの時間を要することがある。

部署ごとの業務を最適化し、組織全体のDXを実現

 部署ごとに挙げた課題は、どれもITツールを活用することで効率化できる。クラウド名刺管理サービス「Sansan」は、名刺管理を軸とした顧客情報の整理を推進し、部署ごと、ひいては部署を越えての情報共有を加速させる。情報共有がスムーズに行われ、属人的だった業務が解消されるため、組織全体としての生産性の向上が期待できるだろう。

 それぞれの部署で抱えている業務においてSansanの活用例を詳細に説明しているので、ぜひ、今の働き方を変えるヒントにしてほしい。

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