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人事 公開日: 2022.07.11

高めることで会社にさまざまなメリットをもたらす「エンゲージメント」は二種類存在する

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 「エンゲージメント」というビジネス用語を聞いたことがある人も多いだろう。このエンゲージメントには顧客エンゲージメントと従業員エンゲージメントの二種類が存在するのをご存じだろうか? 本記事ではエンゲージメントの意味と、従業員エンゲージメントを高めるメリットや高める方法について解説する。

【画像】Shutterstock

目次

エンゲージメントとは?

 エンゲージメントとは英語で「engagement」であり「約束」を意味する。約束といっても日常生活におけるカジュアルな約束ではなく、婚約や契約といったフォーマルな約束というニュアンスだ。英語におけるengagementは状況に応じてさまざまな意味で使われるが、どの意味にも共通するのは「深い関係」というニュアンスだ。

企業活動におけるエンゲージメントにも 、相手との「深い関係」というニュアンスがある意味する。そして、このときの「相手」は、顧客である場合と従業員である場合がある。

「会社と従業員」の信頼を示す従業員エンゲージメントとは

 従業員エンゲージメントとは、会社と従業員の関係における信頼の強さを示す言葉である。これはビジネスライクな信頼関係よりも深い意味で、従業員は会社に対する自発的な貢献を約束し、会社は従業員の貢献に対して報いることを約束する。そのような強固で深い信頼関係で結びついている度合いを従業員エンゲージメントという。

 そんな従業員エンゲージメントを高める要素には、主に以下の五つがある。

●    社内のコミュニケーションの取りやすさ
●    働きやすさ
●    評価の公正さ
●    仕事のやりがい
●    経営者の理念への共感

 これらの要素が満たされると従業員は主体的に会社に貢献するようになり、会社は業績の向上や離職率低下などの恩恵を受けることができる。    

「会社と顧客」の関係性で使われる顧客エンゲージメント

 一方、顧客エンゲージメントとは会社と顧客の信頼関係の深さを示す言葉である。これも従業員エンゲージメントと同様に、単に製品やサービスの機能的価値が高いから利用しているだけといった関係ではない。顧客が会社やブランドを信頼し、ファンとなり、愛着を持っている度合いを顧客エンゲージメントという。エンゲージメントが高い顧客は、その会社のサービスや商品を頻繁に利用し、積極的に周りの人に推奨する傾向にある。

 かつては高い機能的価値を有していた商品も、コモディティ化が進むにつれて他社との差別化が難しくなる。そのときに商品の機能的価値だけではなく顧客エンゲージメントも高ければ、価格競争に参加せずとも顧客離れを防げる。顧客エンゲージメントの向上は会社の競争力や成長性に大いに寄与することもあり、近年では重要視する会社が増えている。

従業員エンゲージメントと従業員満足度の違い

【画像】Shutterstock
 従業員エンゲージメントと似た言葉に従業員満足度がある。これらは混同しがちだが、全く別の概念だ。従業員満足度とは、その会社での勤務全般に対して満足している度合いを表す。つまり、以下のように即物的な満足度を示す尺度である。

●    賃金の額に満足しているか
●    福利厚生に満足しているか
●    職場の人間関係に満足しているか

 一方で、従業員エンゲージメントは会社に対する従業員の「感情」を示す概念である。つまり、以下のような従業員の気持ちを示す。

●    会社を誇りに思っているか
●    自発的に会社に貢献しようと思っているか
●    会社を信頼しているか

 従業員エンゲージメントが高い場合、先にも述べたとおり従業員と会社の感情的な結びつきが強くなり、ビジネス上の関係を超えた深い関係になる。一方で従業員満足度が高いだけでは、ただ待遇に満足しているだけであり、実際はビジネスライクな関係というケースもあり得る。

高い従業員エンゲージメントがもたらす五つのメリット

【画像】Shutterstock
 従業員エンゲージメントの向上には会社にとってさまざまなメリットがある。それは主に以下の五点となる     。

売り上げ、利益の向上

 従業員エンゲージメントが向上すると、従業員は会社に対してどのように貢献できるかを主体的に考えて行動するようになる。また、ずっとその会社に居続けたいと思うようになるので、長期的に考えて利益を追求するようにもなる。したがって、各従業員のパフォーマンスが向上し、売り上げや利益の向上にもつながると考えられる。

離職率の低下

 従業員エンゲージメントが向上すると、従業員は会社に対して愛着を持つようになり、可能な限り長く働きたいと考える。

 これは例えば「賃金の額が良いから」とか「やりがいのある仕事だから」といった単一の要因による状態ではなく、待遇や人間関係、やりがい、会社の業績、経営者のビジョンなど複合的な要因によって愛着を持っており、会社に対する信頼が高いのが特徴である。

 したがって、このうちのどれか単一の要因が一時的になくなっても、会社に対する愛着を失わず、むしろそれを補うために主体的に動くようになる。

 例えば従業員エンゲージメントが低い会社では、会社の業績が少し悪化しただけで従業員は転職を考える。逆に、従業員エンゲージメントが高い会社は会社の業績が一時的に悪化しても、従業員が業績を取り戻すためにより一生懸命に働きつづける。

顧客エンゲージメントも向上

 また、従業員エンゲージメントが高い会社では、顧客エンゲージメントも高くなる傾向にある。なぜなら、従業員たちが率先して顧客のために動くからだ。それに対して、従業員エンゲージメントが低い会社では、従業員の顧客への態度は消極的になる傾向にある。従業員エンゲージメントを高めれば、それが顧客エンゲージメントに伝わり 、企業イメージやブランド価値の向上にもつながると考えられる。

従業員のモチベーションアップ

 エンゲージメントが高まっている従業員は、会社のブランドイメージの向上や業績の向上をまるで自分自身の喜びのように感じているため、そのような会社からどのように期待されているのかを従業員自身が自発的に考え、積極的にその期待に応えようとする傾向にある。

優秀な人材の確保

 従業員エンゲージメントが高い会社では、従業員は自身が勤務する会社のすばらしさを他社の従業員や後輩の学生などに積極的に伝えるようになる。

 近年では転職者向けの口コミサイトも多数存在し、そのようなサイトに従業員が書き込んでいるケースもある。また、個人のSNSにおいてプロフィールに会社名を書く人も増えている。エンゲージメントの高い従業員はそのような公の場において積極的に自社の評判を上げようとする。そのため、それを見た優秀な人材が集まって来やすいと考えられる。

従業員エンゲージメントを高める方法

【画像】Shutterstock
 では、従業員エンゲージメントを高めるにはどうすれば良いのだろうか。そのポイントは以下の五点である。特に、従業員エンゲージメントの調査は他のポイントを効果的に実施するために重要な工程なので気をつけたい。

業員エンゲージメントの調査方法

 従業員エンゲージメントを高めるにもまず現時点でどの程度のエンゲージメントを得ているかを正確に調査しなければならない。そのため、定期的に従業員エンゲージメントの調査をやるべきだ。最も手軽な調査方法は従業員アンケートだろう 。月に1回から半年に1回程度の頻度で実施するとよい。記名アンケートだと社員が本音を書きづらいので 、無記名アンケートが望ましい。

 具体的な質問については 、「自分の実力や役職に合った業務ができているか」といった仕事に関する項目や「部下との適切なコミュニケーションはとれているか」のような上司に関する項目が挙げられる。他にも、会社風土や処遇、福利厚生、経営など業務や人間関係、職場環境などあらゆる観点から満足度を確認できる項目を立てて質問を設定するといい。また、質問に対する回答は「満足している」から「満足していない」まで五段階で選べる選択肢や、具体的な記述が可能な自由記入欄などがある。選択肢式の方が手軽なためアンケートへの回答率は比較的高くなるだろうが、詳細を知りたい項目については記述させるなど、目的に合わせて評価方法を決めてみてほしい。

ワークライフバランスの重視

 特に最近の若い人材は就職先を選ぶ際にワークライフバランスを重視して選ぶ傾向にある。コロナ禍の影響もあり、テレワークなどの新しい働き方に対応できているか、時短勤務やフレックスタイムなど育児や介護のための社内制度があるかを会社     選びの基準としている。

 また、デジタルトランスフォーメーション(DX)を前向きに推進しているかも重要である。上記の新しい働き方や多様な働き方にはDXの推進が不可欠だからだ。所属している会社が変化に前向きで先進的であることは従業員エンゲージメントを高めることに繋がる。

公正な評価制度

 従業員エンゲージメントを高めるには評価制度の公正さが不可欠だ。人間は誰しも不公平な対応をする相手を信用しようとは思わない。また、会社と従業員の関係も同様だ。特に近年は働き方が多様化し、従業員ごとに働き方が異なる場合も珍しくない。

 例えば同じ仕事をしているのに出社組だけが高く評価され、テレワーク組の評価が低い状況になると、テレワーク組は会社に不満を持ち、従業員エンゲージメントが低下する。評価である以上、過程や成果によって差がつくのは仕方ないが、できるだけ従業員が納得できるような評価制度を作る必要があるだろう。

社内コミュニケーションの活性化

 従業員エンゲージメントには社内コミュニケーションの活発さが深く関わっている。会社への帰属意識は、働いている職場への帰属意識でもあるからだ。職場の上司や同僚が何を考えているのかわからない相手では従業員同士の信頼関係が薄れ、従業員エンゲージメントも低くなる。

 対策としては社内コミュニケーションをやりやすくする必要がある。なるようなITツールを導入し、コミュニケーションの活性化を促す方法が挙げられる。特に働き方が多様化している現代では、コミュニケーションを活性化させるITツールの活用は不可欠だ。

ITツールを活用して従業員エンゲージメントを向上させよう

 エンゲージメントには「従業員に対するもの」と「顧客に対するもの」のがある。従業員エンゲージメントを高めるにはさまざまな方法があるが、いずれの方法にもITツールの活用が必要だ。    

 その第一歩としHRテックツールなどのITツールを活用し、従業員に対する正しい理解を進めよう。従業員エンゲージメントの向上は、従業員への理解から始まる。

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