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人事 公開日: 2021.05.24

リファラル採用とは? メリットや導入と活性化のポイント・注意点を紹介

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 近い将来に労働力人口が減るといわれる中、社員に知人を紹介してもらう“リファラル採用”が注目されている。本記事では、リファラル採用のメリットや活用方法、導入手順について解説する。

【画像】shutterstock

目次

リファラル採用とは

 リファラルは、英語で「Referral」=「紹介」を意味している。リファラル採用とは、社員の知人・友人を紹介してもらう採用手法を指す言葉である。会社のカルチャーや価値観を知っている社員が推薦するため、採用コストを低く抑えられるだけでなく、ミスマッチも起こりにくく、長く定着する人材が確保できることで注目を集めている。

 エン・ジャパンが行った調査では、リファラルで中途採用を実施したことがある企業は62%、そのうち制度化している企業は33%だった。

リファラル採用の背景

 なぜ、今リファラル採用がこれほどまでに注目されているのだろうか。大きな背景の一つとしては労働力人口の減少が挙げられる。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によれば、女性や高齢者の雇用が増加するため、2023 年まで労働力人口は増加傾向にあるものの、2024年から緩やかな減少傾向に転じる統計が出ている。

 全体の労働力人口が減少すれば、採用競争は今まで以上に激化。新しい人材の採用だけではなく、既存の社員のエンゲージメントを向上させたり、能力を最大化させたりする工夫が必要となる。

リファラル採用と縁故採用の違い

 リファラル採用と縁故採用に、大きな意味の違いはないといわれている。縁故は、血縁、婚姻関係のつながりがあることを指すが、縁故採用は血のつながりあるなしに関わらず、知り合いなども含む。

 縁故採用は、コネ採用と同じように経営者や創業者の親戚や主要取引先の知人、関連会社の社員など、権力を使った機会不均衡な採用といったネガティブな印象があるため、近年はリファラル採用というフレーズを使う企業が多いようだ。

企業がリファラル採用を導入する理由①採用コストを削減したい

 リファラル採用では、求人広告の掲載料や人材紹介手数料などの費用が発生せず、紹介してくれた社員に対するインセンティブしかかからない。セキュリティー人材、AIエンジニアなど、希少価値が高く人材獲得競争になりやすい専門人材を採用したい企業にとっては、絶大な効果が発揮されるので導入が推進されている。

 また、リファラル採用では社員の定着率が高くなるため、より効率的な採用が実施でき、長期的に採用コストを低減する効果も期待できる。

企業がリファラル採用を導入する理由②社員の定着率を高めたい

 カルチャーや社風、事業課題を知っている社員だからこそ、自社にマッチした応募者を紹介できる。また、腹を割って話が聞ける知人・友人の間柄だからこそ、面接などでは伝わりづらい細かな情報なども話せるのではないだろうか。そのため、入社後のミスマッチが起こりにくく、定着率も高くなりやすいということだ。

リファラル採用を導入するメリット

 リファラル採用を行うことで、採用活動にはどのようなメリットをもたらすのだろうか。

リファラル採用を導入するメリット1:優秀な転職潜在層の掘り起こし

 転職潜在層とは、転職意欲はあるものの、具体的なアクションを起こしていない人材を指す。転職潜在層は採用市場に出てこないが、競合性が低く、アプローチできればスムーズな採用につながる可能性がある。

 ビズリーチの調査では、年収別の転職予定時期について、500万円未満の4割以上が「3カ月以内に転職する予定」、「転職する予定はないが、よい求人や会社があれば転職を検討する」は15.3%と回答しているのに対し、750万円~1500万円未満は、3割弱が「転職する予定はないが、よい求人や会社があれば転職を検討する」と回答している。

 つまり、他企業からのアプローチがあれば検討する、いわゆる“待ち”の状態の人も多くいることが見て取れるのだ。

リファラル採用を導入するメリット2:採用コストの抑制

 マイナビの調査では、中途採用における採用単価は27〜83万円で、最も低いのは技能工・設備・配送・農林水産で27.5万円、最も高かったのは保育・教育・通訳で83.9万円。

 人材を採用するには、転職サイトへの掲載料や転職エージェントの紹介手数料など多額の採用コストがかかるが、リファラル採用では、自社の社員へのインセンティブ、社員のリファラル活動に伴う費用などで済む。

 同調査では、リファラル採用におけるインセンティブ金額の全体平均は約10万円で、最も高いのは、IT・通信・インターネットでおよそ17万円だった。仮にIT・通信・インターネット業界1人当たりの採用単価が30万円だとしても、採用コストを50%削減できたことになる。

リファラル採用を導入するメリット3:ミスマッチ防止

 リファラル採用は、社員からの紹介なので、マッチングの精度は高く入社後もギャップを感じず離職率も低い傾向にある。

 エン・ジャパンの調査によれば、リファラル採用の導入理由で最も多いのが「入社後の定着率や活躍を高めたい」で59%となっており、定着率向上に期待して導入する企業が多いことが分かる。

リファラル採用のデメリット・注意点

 リファラル採用では、採用コストの削減やミスマッチの低減など、さまざまなメリットがあるが、導入する際にはいくつか注意すべき点がある。

ポイント1:インセンティブ目的の紹介が横行する恐れも

 インセンティブ目的で、強引に知人を入社させる、明らかに社風に合わない知人を紹介するなどの事例が増えれば、ミスマッチが起こり定着率も低くなりやすい。インセンティブが低いと、紹介も出にくくなるが、高すぎてもインセンティブ目的での紹介が横行するリスクがある。適正なインセンティブを設定することを心がけたい。

ポイント2:似たような人材が集まる

 より効率的な採用活動が実施できる反面、似たような価値観や思考を持った人材が集まり、同質化する懸念もある。元々、関係の深い者同士が集まれば、派閥が生まれ対立構図が形成されてしまう恐れもある。

ポイント3:インセンティブ以外にも費用は発生する

 積極的にリファラル採用を社員に利用してもらおうと考えた場合、インセンティブだけでなく、社員の採用活動支援にかかる費用、また自社のリファラル採用をより効率的に行いたい場合は、リファラル採用の活性化ツールの導入・利用料金も必要になる。

リファラル採用を活用するポイント

 リファラル採用を上手に活用するには、以下の二つのポイントを押さえておきたい。

ポイント1:長期的な採用手法として戦略を立てる

 リファラル採用は、転職潜在層をターゲットにした長期的な戦略のため、成果が出るまでに時間がかかる。また、リファラル採用には、社員の協力は必要不可欠。組織全体の当事者意識を高めることで、自然にリファラル採用の活動が回るようになる。

ポイント2:不採用者のフォローをおこなう

 万が一、リファラル経由で不採用となった場合、紹介者と不採用者の関係性が悪化するリスクがある。パーソルの調査でも、「友人・知人を紹介する際にハードルになることは?」という質問に対し、32.6%は「友人・知人が選考で落ちたら気まずい」と回答している。
 面接段階で不採用に至るのには、単純なミスマッチだけでなく、社員と企業側で認識の齟齬が生まれているケースも考えられる。例えば、社員が応募者に「取りあえず、話だけ聞いてみたら」と面談のつもりで話を持ちかけていても、企業側は面接に来るものと思い込んでいるケースもあるだろう。この場合、事前に社員に「どのように話を持ちかけたか?」とヒアリングのフローを挟むことで、社員と応募者の間で起こりうるトラブルやこじれを未然に防げるのだ。

 また、この他にも入社させたことで、応募者とその紹介者の間で上下関係が生まれ、パワハラやセクハラに発展するケース、紹介者が辞めたことで応募者も離職してしまったなど、入社してから発生するトラブルもある。

 入社後も、定期的に応募者と紹介者の関係性をフォローできるような体制の構築を心がけたい。

リファラル採用に成功している事例

 リファラル採用に成功している企業のうち、二社の具体的な取り組みについてご紹介しよう。

freee

 まずは、クラウド型会計ソフトでトップシェアを誇るfreeeだ。freeeは創業以来、リファラル採用を重要な採用形態とみなし、その成功のためにさまざまな制度設計を構築している。例えば、リファラル採用のプロセスを簡易的にすることで知人を紹介するハードルを下げ、社員全員が積極的に採用活動に取り組めるような仕組みである。また、freeeに興味を持った社員の知人が、気楽にオフィスに訪問できるような文化も醸成されている。知人はオフィスを見学しながら他の社員ともコミュニケーションをとることもでき、企業への理解を深めることができるのだ。

セールスフォース・ドットコム

 また、CRMをはじめとするクラウドコンピューティングサービスを提供しているセールスフォース・ドットコムも、リファラル採用に対して社員からの協力を強化できる仕組みを構築している。セールスフォース・ドットコムでは経営者層が採用活動へ特に注力しており、採用部門とともに募集中のポジションについて社員に周知する取り組みを行っている。知人を紹介した社員には旅行券を贈るといったインセンティブもあり、全社にわたってリファラル採用へ前向きな姿勢になれる制度設計が特徴的である。

リファラル採用の制度導入時に準備すべきこと

“採用目標”と“制度設計”を明確にする

 採用目標を決める前に、まずリファラル採用の目的を明確にする。主な目的としてはおおよそ、下記の三つに絞られるのではないだろうか。
  • 社員の定着率やエンゲージメントを高めたい
  • 採用にかけるコストや工数を削減したい
  • ミスマッチを減らしたい
 目的が決まったら、リファラル採用で発生した応募数や入社人数、1人当たりの採用単価、採用数全体に占めるリファラル経由の割合など、目的にひも付く採用目標を策定していく。目的があいまい、かつ、目標と結びつかない矛盾したものになっていると、運用させても機能しないので注意したい。

 次に、以下のようなリファラル採用の輪郭であるルールや制度設計を明確化していく。
  • 報酬金額の設定
  • リファラル採用の活動を業務の一つにするか、業務外にするか
  • 機密情報の開示許可と、その範囲設定
  • 採用候補者の個人情報の取り扱いガイドラインの制定
 リファラル採用を運用した際に生じる問題点を事前にルールに落とし込み、極力リスクを排除することが重要である。

社内体制の構築

 リファラル採用は、社員の協力あっての採用手法だ。実施するハードルが高かったり、ルールが明確化されていなかったりすると、リファラル採用は浸透しにくい。社員に過度な負荷がかからないよう、リファラル活動に伴う飲食代などを補助する、採用条件や応募方法を明確化するなど、紹介を出しやすくなる環境を整備したい。

 また、事業部間、部署間でスムーズに連携ができるよう、リファラルを推進する事業部を立ち上げて、各事業部、各部署の現場責任者に働きかけることで、リファラル採用の制度が形骸化せず、成果を出すことができる。

制度導入後、ツール利用でリファラル採用の確度を上げる

 導入が思うように進まなければ、リファラル採用支援ツールを導入する方法もある。リファラル採用支援ツールを活用すると、社員が過去関わりを持ったつながりを可視化、データベースとして資産に変えることができるのだ。

 また、募集要件を設定しておけば、自社にマッチした候補者へ自動でアプローチができるほか、ツールによっては社員の紹介状況が閲覧できるものもある。人力でリファラル採用を行うよりも、より効率的にスピーディーに運用できる。

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リファラル採用で自社に合った人材の獲得を

 リファラル採用の運用方法は比較的シンプルで、莫大なコストをかけずに、どの規模の企業でもすぐに導入が可能な採用手法だ。

 忘れてはいけないのは、リファラル採用は社員の協力あって成立する採用手法であるということ。社員の実施ハードルが低くなるよう、リファラル活動のための費用負担や、ルールの明確化、また効率的に行うためにリファラル支援ツールの導入も検討したい。

 下記の資料でリファラル採用を成功させるポイントをまとめているので、ぜひ確認してほしい。

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