sansansansan
  • DIGITALIST
  • Workstyle
  • リードタイムを短縮させる方法とは? 営業プロセスの見直し方を解説
Pocket HatenaBlog facebook Twitter Close
営業 公開日: 2022.10.14

リードタイムを短縮させる方法とは? 営業プロセスの見直し方を解説

お気に入り

 営業活動について、「営業をしても受注につながらない」「見込み顧客を逃してしまった」こういった悩みをお持ちではないだろうか。こういった問題は、受注から納品までの時間、つまりリードタイムを短縮することで、解決できるかもしれない。リードタイムは、プロセスを踏めば確実に短縮のできる分野だ。

 本記事では、リードタイムを短縮させる営業プロセスの見直し方について紹介していくので参考にしてほしい。

【画像】Shutterstock

目次

売り上げを拡大するために考えたい、リードタイムの短縮

 展示会で見込み顧客の情報を獲得したり、セミナーの後に担当者と話したり、飛び込み営業で販路を拡大したりと、営業活動にはさまざまな形があるが、名刺交換後にあらためて商材説明をし、先方の課題感のヒアリングを行って見積提出、納期の調整など、受注までのプロセスは長い。

 この間にアポイントメントの調整を始めとして営業活動では多くのリードタイムを要するが、リードタイムが長くなればなるほど、受注にはさまざまな障害が発生しやすくなる。そうした機会損失が起こらないように、営業成績向上のためには、リードタイムは短いほうがよい。

 ではリードタイムの短縮はどうやって行えばよいのか。昨今その主たる方法が、オンライン化である。新型コロナウイルス感染症の拡大によって、BtoB業界でも営業のオンラインへのシフトが進んでおり、従来の展示会やセミナー、飛び込み営業といった手法に加え、オンライン上での商談や会議、イベントも増えてきている。リアルで行ってきたこれまでの営業手法とは異なる、オンライン上での営業活動にも対応していかなければ、売り上げの拡大は見込めない。

 しかし、従来の営業手法からオンライン上での営業活動に対応していくことに苦戦している企業は多い。

 実際、ビジネスパーソン1,000名を対象に実施された『企業の商談・人脈・顧客データに関する意識・実態調査』によれば、「オンライン商談が増えて、機会損失が発生している」と感じると答えた人は7.6%にも及ぶ。また、「今後の営業活動に不安を感じている」と答えた人も76.4%と高く、「商談の質や受注率が下がっていると感じる」との回答には50.2%と半数以上が営業実績にマイナスの影響を感じており、苦戦を強いられていることがわかる。
 オンラインに苦戦している企業でも売り上げを伸ばすための一手はどうしたらよいのだろうか。今回は営業のリードタイムの短縮に着目して解説していく。  

BtoBビジネスにおける、営業のリードタイムとは

 ここであらためて、リードタイムという言葉の意味について振り返ろう。リードタイム  とは、商品を発注してから納品されるまでの生産や輸送などにかかる時間のことを指す。これをBtoBビジネスに当てはめたのが「営業のリードタイム」という言葉である。

 営業のリードタイムとは、案件発生から商談を経て受注するまでの時間のことだ。先述の通り、BtoBビジネスでは「営業のリードタイム」が長ければ長いほど、機会損失につながってしまう。リードタイムが30日と100日の商品があったのなら、受注の確率が高いのはもちろん30日の商品だ。「鉄は熱いうちに打て」ということわざがあるが、ビジネスチャンスもリードタイムが短ければ短いほど興味関心が薄れる前に受注のフェーズへ進みやすくなる。

 BtoB営業におけるリードタイムは大型商材になればなるほど増える傾向にあるが、自社内で省ける工程があれば積極的に減らしていくべきである。では、具体的にどのような工程を省くことができるだろうか。例えば問い合わせにすぐに対応する、商談で質問が出たらできるだけ早く答える  、商談に必要書類・資料を用意するなどは、リードタイム短縮のために比較的取り組みやすい方法ではないだろうか。    

 この機会に今一度営業の手法を見直すことで、営業のリードタイムを短縮し、売り上げを伸ばすきっかけにしてみてはいかがだろうか。  

リードタイムを短縮させるメリット

【画像】Shutterstock
 リードタイムの短縮にはどのようなメリットがあるのだろうか。具体的に三点のメリットを紹介したい。

・顧客の購買意欲の維持

 一般的に人の興味・関心は時間が経過するにつれて低下する。これは営業においても同様だ。

 当初、好感触だった顧客から商談のストップを伝えられた経験がある人もいるだろう。これは営業リードタイムの長さが原因となっているかもしれない。顧客は問い合わせ直後や商談直後は購買意欲が高いが、時間が経過すれば経過するほど購買意欲は低下していく。熱が冷めてしまったことでキャンセルするという可能性も十分にある。

 こういった失注もリードタイムを短縮できれば防げるケースもある。リードタイムの短縮は結果的に受注率の増加にもつながることになる。

・売上・収益の拡大

 リードタイムが短くなればより多くの案件にあたれることになる。そうなると当然成約数も増えて売上も大きくなる。

 また、スピード感のある取引は顧客にとっても嬉しく満足度が高い。満足度の高さはリピートや新規顧客の紹介といったポジティブなサイクルを生み出し、競合との優位性となってさらなる受注の増加につながりやすいだろう。

・異常案件の把握

 リードタイムを短縮することで異常案件を早期に発見することは、マイナスを0にするだけでなく、成約率の増加というプラスを生むことになる。放置案件が多い企業であればあるほど、大きな効果を生む可能性を秘めている。
 
 例えばリードタイムを30日と設定した場合にそれよりも大幅に経過しているものは異常案件としてテコ入れができる。リードタイムが長い場合はどれが異常案件なのかを日数で判断するのは難しい。あるいは気づいてもすでに手遅れということもあるだろう。

 異常案件は顧客が原因でなく、自社の営業担当が放置してしまったケースや連絡待ちで長期間空いてしまったケースなどもある。こういった案件を早期に発見できれば成約にまでつなげることも可能だ。

BtoB営業のリードタイムが長くなる原因

 リードタイムが長くなってしまうのにはさまざまな理由が考えらえるが、BtoB営業のプロセスに理由がある場合が多い。次はBtoB営業においてリードタイムが長くなってしまう、プロセス上の原因を解説していこう  。

 まず、第一に考えられるのが、決裁者となるキーパーソンに出会えず、商談から成約までのリードタイムが長くなる場合だ。BtoB営業の場合、窓口である担当者と決裁者が異なることが多いため、こういった現象は頻繁にみられる。

 つまり営業のリードタイムを短縮するためには、最適な相手に、適切な提案をすることが非常に重要になるので、まずは担当者から決裁者へつないでもらえるような提案をしなければならない。できれば、担当者に「決裁者へどう伝えれば、案件の重要さが伝わるか」まで提案するのが望ましいだろう。

リードタイムが長くなってしまうオンライン商談

【画像】Shutterstock
 コロナ禍以降活発になっているオンライン商談の利点は、移動時間がなく、商談を数多くこなすことができる点だ。オンライン会議ツールを切り替えるだけでA社との商談後、すぐにB社との商談ができる。

 しかし営業のオンライン化によって、商談数が増やせるにも関わらず、対面商談と比べると営業のリードタイムが長引いてしまうこともある。

 適切な提案をするためには、顧客の業績や業界の流行、相手が打っている施策の規模、顧客のライバル企業の動きや類似事例など、顧客の情報をどれだけ持っているかが重要となる。ところが、オンライン商談だと対面商談以上に、獲得できる顧客の情報が少ないのだ、ここに頭を悩ませている営業担当者は多い。実際に、対面商談とオンライン商談ではどのような違いがあるだろうか。例と共に解説していこう。

得られる視覚情報が少ない

 対面商談なら名刺交換時のあいさつや席順、振る舞い、雰囲気などを通して、この人が主な担当者で、役職的にはこの人がキーパーソンだとか、企業として注力しているところはどこなのかなどといった視覚情報から相手の基本情報や企業情報が把握できる  。例えば、名刺交換は上席から行うのがマナーであるため、基本的には最初に名刺交換をした人が決裁者の可能性が高い。

 一方のオンライン商談では、最初に自己紹介はあるが名刺交換はほとんどないだろう。オンライン商談ではメールのCCに入っていない人物が当日いきなり登場したものの、web会議ツール上  の名前が「会社名+◯◯部」などと、名前になっていないこともある。そのため、最後まで出席者の正確な所属や氏名がわからず、商談が終わってしまった経験はないだろうか。

 またオンライン商談では、席順の把握や雰囲気といった視覚情報が少なくなってしまう。  その結果、相手企業の決裁者および担当者の役割がわかりにくく、顧客が何に困っているのか課題もわかりにくくなってしまうことがある。  また、オンライン会議では時間がくるとすぐに接続を切ってしまうことが多いため、商談相手と打ち解けることで、課題や雰囲気をより深く知ることが難しくなった。
 
 このように顧客の情報が引き出しにくいことは、オンライン商談でリードタイムが長くなる原因の一つである。

商談内容の記憶が残りにくい

 次は商談の中身についてだ。対面商談では身ぶり手ぶりや、声の大きさなどのリアルな印象によって、誰が何を発言したかなど、商談の記憶が残りやすくなる。対するオンライン商談では、前述のような印象や臨場感がないことから、対面商談より商談内容の記憶が残りにくい。その結果、なかなか社内で検討が進まず、上申に時間を要してしまう。これもリードタイムが長くなる理由だ。

リードタイムを短縮する方法とは?

 では具体的にどのようにすればリードタイムを短縮することができるだろうか。リードタイムを短縮する方法は大きく二点にわけられる。

・インサイドセールスの導入

 インサイドセールス、つまり内勤営業の導入はリードタイム短縮の有効な手段だ。電話やメール、オンラインでの商談で直接顧客に対面しないで実施する営業全般がインサイドセールスとなる。

 インサイドセールスでリードタイムを短縮できる大きな要因は分業体制を確立できることにある。具体的には、まずインサイドセールスを実施し、好感触だった顧客のみにフィールドセールス、つまり対面での営業をかけることによる効率化が図れる。フィールドセールスの問題点は、営業範囲が膨大となり、闇雲に営業することによる非効率化することにあるので、インサイドセールスとの分業で解決できるのだ。

 もしもフィールドセールスの範囲や業務が膨大となってしまっている場合は、インサイドセールスを適切に導入することによって大きな改善が期待できる。

・各種マーケティングツールの導入

 マーケティングツールの導入もリードタイムを短縮することが可能だ。リードタイム短縮のマーケティングツールは大きく二種類に分類することができる。

1. MA(マーケティングオートメーションシステム)

 顧客に対して効率的にメールやWEBコンテンツを配信することができるのがMAだ。顧客が求めている情報の定期的かつ効率的な配信などによってインサイドセールスの精度とスピードを飛躍的に向上できる。代表的なツールには『b→dash』、『SATORI』などがある。

 また、MAでは顧客ごとにどれだけ自社に対して興味を持っているのかがスコア化によって把握も可能。スコアと照らし合わせつつ効果的な営業活動を実施することができるようになる。

2.CRM/SFA(顧客管理システム/営業支援システム)

 MAは営業の初期段階と相性がよいのに対して、CRM/SFAは実際の対面での商談や成約に近い段階での営業で効果を発揮する。CRM/SFAの代表的なツールとしてはSenses、eセールスマネージャーなどがある。

 CRM/SFAを活用することで顧客情報や案件ごとの情報を効率的に管理できる。このことによって社内での情報共有や会議などの時間を大幅に短縮できるほか、放置されている案件や対応漏れにもすぐに対応できるようになる。

 インサイドセールスの導入  と、各種マーケティングツールの導入がリードタイム縮小の具体的な手法となる。リードタイムについてはこちらの記事にも詳細が記載されているので併せて確認してほしい。

リードタイムを短縮する際のポイントとは?

【画像】Shutterstock
 ここまでリードタイムを短縮する方法を紹介してきたが、実際にインサイドセールスやマーケティングツールを導入してリードタイムの短縮を図る場合には、さらに守るべき重要なポイントがいくつかある。

 一点目にあげられるのが営業担当者同士の情報共有体制の確立である。  なぜなら、必要な情報が属人的になっていると、担当者が不在の際などに案件がストップしてしまうからだ。案件担当者しか情報を知らないという状態ではリードタイムの短縮は困難だろう。社内チャットツールなどの導入で案件情報は比較的簡単に共有できるようになる。

 ひとつの目安としては案件担当者が不在であっても、他の人員で案件をスムーズに進めることができる状態がある。またこういった状態をつくることはリードタイムの短縮のためだけでなく、業務全体にとってもプラスに働くことが多い。もしも自社がまだ属人的な営業となっているなら早期に改善したいポイントだ。

 二点目は、マーケティングツールをスムーズに導入できるよう、事前準備を入念に行うことだ。

 どのマーケティングツールを活用するのか、活用するためにどういった体制が望ましいかを事前に想定しておけば、導入後もスムーズに動くことができる。一見遠回りのように思われるかもしれないが、ただ安直にツールを導入するのではなく自社にあったツールの選定と事前準備によって結果的に効率よくリードタイムを短縮することができるだろう。


オンライン時代の営業活動を加速させるITツール

 営業リードタイムは短縮することができれば業績の向上が見込める可能性が非常に高い分野だ。そして、そのためには各種ツールを活用し、営業プロセスをDX(デジタルトランスフォーメーション)化することが重要なカギとなる。

 また、顧客情報を集約・統合して顧客に対して効果的なアプローチが可能となるSansanのサービスを活用することでより精度の高い営業活動が可能となる。Sansan は本記事でも触れたSenses、eセールスマネージャー、『b→dash』、『SATORI』といったツールとの連携も可能だ。リードタイムの短縮に着手する際にはぜひSansan も同時に導入してほしい。

関連記事

新着記事

DIGITALIST会員が
できること

  • 会員限定記事が全て読める
  • 厳選情報をメルマガで確認
  • 同業他社のニュースを閲覧
    ※本機能は、一部ご利用いただけない会員様がいます。